集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈見直し問題が政局の焦点になっている。官邸筋によると「首相は今夏に解釈見直しを閣議決定し、その後の臨時国会などで自衛隊法などの関連法規を改正する方針」だ。

問題は連立のパートナー、公明党だ。公明党の山口那津男代表は「公明党内は解釈見直しの慎重論が大勢だ」と発言。自公の与党協議でも公明党側は慎重姿勢を崩しておらず、自公の軋轢が高まるばかり。安倍氏周辺が話す。

「山口代表は“個別的自衛権の延長で対応できる”と主張するが、首相にとってこれは絶対に受け入れられない。あくまでも山口氏が反対するなら連立解消もやむをえないというのが首相の本音です」

この事態に危機感を強めているのが公明党の支持母体の創価学会首脳部だ。

「創価学会首脳部は首相が解消を言い出すのではと戦々恐々。日本維新の会とみんなの党は見直しに賛成で首相が公明党を切って維新、みんなと連立を組む恐れも。そうならないように創価学会の政治担当の佐藤浩副会長が菅義偉官房長官と連絡を取り合っているほか、学会の最高実力者の1人である八尋頼雄副会長が乗り出し、参院のドンと言われた青木幹雄自民党元参院議員会長と情報交換しているようだ」(前出の官邸筋)

首相に近い人物は「首相は蛇のように執念深い。いったん恨みを買うと絶対に許してもらえない」という。集団的自衛権の与党協議は本来、石破茂幹事長の役割だが、首相は高村正彦副総裁に任せている。「これは首相が石破氏をとことん嫌っているから。第1次安倍政権末期、石破氏は“首相を辞任すべきだ”と安倍氏に引導を渡した。首相はこれを“絶対に許さない”と話していた。山口代表も首相の恨みを買う恐れがある」(首相周辺)。

学会問題に詳しいジャーナリストの乙骨正生氏は、「消費増税によって宗教法人の税制優遇を認めた宗教法人法に世間は厳しい目を向けつつあり、学会としては、連立解消は絶対に避けねばならない。自衛隊のイラク派遣のときも公明党は最初、反対して後で賛成に回った。あのときと同様、最終的には公明党は解釈見直しを認めるのではないか」という。公明党はどこまで抵抗できるか。