2014年3月14日(金)

在宅役員、バリイクメン……P&Gの「柔軟すぎる働き方」

PRESIDENT 2014年2月3日号

著者
佐藤 留美 さとう・るみ

佐藤 留美1973年東京生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒。出版社、人材関連会社勤務を経て、2005年、企画編集事務所「ブックシェルフ」を設立。20代、30代女性のライフスタイルに詳しく、また、同世代のサラリーマンの生活実感も取材テーマとする。著書に『婚活難民』(小学館101新書)、『なぜ、勉強しても出世できないのか? いま求められる「脱スキル」の仕事術』(ソフトバンク新書)、『資格を取ると貧乏になります』(新潮新書)、『人事が拾う履歴書、聞く面接』(扶桑社)、『凄母』(東洋経済新報社)がある。東洋経済オンラインにて「ワーキングマザー・サバイバル」連載中。

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ジャーナリスト 佐藤留美=文
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経営陣のほぼ全員が週に1回、在宅勤務をしている

日本の正社員は「三無(さんむ)」といわれる。仕事内容が選べない。勤務地が選べない。勤務時間が選べない。そして、肩を並べて働くのは、似たような学歴で、似たような主義主張の日本人男性ばかり……。このパターンは、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」といわれた時代には向いていた。当時は、特にイノベーションを起こさなくても、欧米が先に開発したものを真似していればよかったし、消費者も「三種の神器」など、決まったモノを欲しがった。だから、同質集団が大量生産で一気にモノづくりする強みが生きた。

ところが、今の市場はそんなに単純ではない。先進国の消費者ニーズは多様化する一方で、新興市場には眠れるニーズが埋もれている。それらを、他社に先駆けて掘り起こすには、国籍や性別を問わない多様な人材が感度を発揮する組織運営が必要だ。だからこそ、今、各社でダイバーシティ(多様性)が重要な経営戦略の一つになっている。そして、ダイバーシティを実現するには、社員一人一人の置かれた状況や生き方に寄り添った「柔軟な働き方」を推進することが欠かせない――。

プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(以下P&G)は、ここ数年、社員の「働き方革命」に注力し、「柔軟な働き方」の先進企業に飛躍した。同社の取り組みは、もはや子育て中や介護中の社員が短時間勤務や在宅勤務を選択できるといった次元を超えている。「現在、日本の経営陣のほぼ全員が、週に1回の在宅勤務をしている」(ヒューマン・リソーシズ アソシエイト・ディレクター臼田美樹さん)というし、2016年に神戸・三宮に建設予定の新社屋では、基本的に個人の机を撤廃した「フリーアドレス」を採用する。「個々人の働き方に合わせた、集中するための部屋、チームワークをするための部屋、部署間の壁をなくして社員がコラボレーションするためのスペースなどを用意する予定」(アジアワークプレース&インフラストラクチャー・ソリューションシステムマネージャー吉本佳世さん)だ。

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