3月の来年度予算成立後、政界再編含みの駆け引きが激化しそうだ。安倍晋三首相は、集団的自衛権の行使を可能にする憲法解釈変更を今国会会期中に閣議決定する方針だが、連立を組む公明党が解釈変更に慎重な姿勢を崩さず、両党の不協和音はさらに大きくなりそう。自民党内では「自公連立の解消」と「自維新みんな連立政権結成」の可能性も囁かれる。

公明党との不協和音の高まりを受け、首相は1月24日、集団的自衛権行使容認派の渡辺喜美みんなの党代表に「政策的な協議を行いたい」と持ちかけ、第一次安倍内閣の行政改革担当相だった渡辺氏は直ちにこれに呼応。一方、首相と会談した日本維新の会の石原慎太郎共同代表、平沼赳夫代表代行は昨年末、「憲法改正などで首相に協力する」と発言。松野頼久同党国会議員団幹事長も1月28日の国会代表質問で集団的自衛権をめぐる協議を首相に要請するなど、同党は自民党との連携に前のめりになっている。

「首相の野党急接近は公明党への牽制球。公明党の対応次第では自公連立解消、みんなの党、日本維新の会との連立の可能性もあるということ」(安倍氏周辺)

政界再編加速の背景には、自民党一強の下、路線対立などで野党が混乱に陥っている事情もある。みんなの党はすでに「結いの党」と分裂。日本維新の会も、政界再編を巡る路線対立に加え、橋下徹共同代表の大阪市長辞職・出直し選挙表明で混乱状態だ。維新関係者が語る。

「維新は、リベラル色が強い結いの党と合流し、民主党に代わる野党第一党を目指すグループと、自民党と連携したい石原共同代表の旧太陽の党グループが対立。石原氏は“結いの党と組むなら俺は辞める”と周囲に漏らし、橋下辞職発言で党内はガタガタ。出直し選挙で橋下市長が再選されても、公明党大阪市議団が反対する大阪都構想の実現の見込みはない。橋下氏は“公明党に裏切られた。公明党候補のいる大阪、兵庫の選挙区に維新は候補擁立を見送った。代わりに公明党は大阪都構想に賛成する約束だったのに”と激怒しているが、騙されるほうが悪いのが政界。昨年の堺市長選での維新候補の敗北以降、橋下氏の力は急低下。今後、政界引退の可能性もある」。一人勝ちの首相の高笑いが聞こえてきそうだ。