“太もも”を中心とした下半身の強化を説いた健康法が、幅広い男女から高い支持を得ている。静脈の血液を上半身に押し上げるポンプである“太もも”は「第二の心臓」と呼ばれ、健康や長寿の秘密が隠されている。また“太もも”などの下半身の強化は、肩こり・腰痛・高血圧・糖尿病・狭心症・便秘・不眠などの症状の改善につながり、さらに太らない体質を作りダイエットにも大きな効果がある。ヒット書籍『太ももを強くすると「太らない」「超健康」になる』の著者で、ウォーキングの第一人者、東京学芸大学名誉教授・医学博士の宮崎義憲氏が、手軽に出来る簡単体操を交えながら独自の“太もも健康法”を語る。

興味深いのが血圧とウォーキングの関係です。

厚生省(現在の厚生労働省)は「1日に歩く歩数と血圧は反比例の関係になる」という調査結果を発表しています。

グラフを見ると、1日の歩数が2000歩未満の人の最大血圧は平均140ミリHgだったのに対して1万歩以上歩く人は130ミリHgで、その間のデータも歩数と血圧ははっきりと反比例の関係にあったのです。

つまり、ウォーキングには高血圧の予防効果があるというわけです。

高血圧の原因の一つとして考えられるのが血中脂肪の増加です。食物から摂った糖分は体内でエネルギーとして使われますが、運動不足や過剰に糖分を摂取してしまうと、エネルギーとして消費されずに余ります。この余った糖分は血中脂肪として血液中に貯蔵されたり、体脂肪に変化して体内に蓄えられます。

血中脂肪が多いと血流が悪くなり血圧が高くなります。さらに使われない血中脂肪はやがて血管の内壁にこびりつき、だんだん硬くなって血管の柔軟性が失われます。これが動脈硬化です。この状態になると、血液の循環が円滑にいかなくなり、無理に血液を流そうとするため高血圧になるのです。