“太もも”を中心とした下半身の強化を説いた健康法が、幅広い男女から高い支持を得ている。静脈の血液を上半身に押し上げるポンプである“太もも”は「第二の心臓」と呼ばれ、健康や長寿の秘密が隠されている。また“太もも”などの下半身の強化は、肩こり・腰痛・高血圧・糖尿病・狭心症・便秘・不眠などの症状の改善につながり、さらに太らない体質を作りダイエットにも大きな効果がある。ヒット書籍『太ももを強くすると「太らない」「超健康」になる』の著者で、ウォーキングの第一人者、東京学芸大学名誉教授・医学博士の宮崎義憲氏が、手軽に出来る簡単体操を交えながら独自の“太もも健康法”を語る。

街を歩いていると、姿勢の悪い人が結構目立ちます。

いつの頃から日本人には姿勢の悪い人が増えたのでしょうか。背を丸めて首を突き出し、疲れた表情で歩いている人が多いように思います。背筋を伸ばして颯爽と歩いている人には滅多にお目にかかりません。

昔は背筋をまっすぐ伸ばした正しい姿勢でいることを親に躾けられたものですが、最近は老若男女とも良い姿勢で歩くことを忘れてしまったのではないかと思わせるほどです。

実は姿勢の悪さが肩・首のコリの原因になり、それらを悪化させています。

実際、肩こりや首筋のコリで悩んでいる方々にお会いすると、姿勢の悪い人、ねこ背の人の割合が驚くほど高いのです。

なぜ、ねこ背だと肩首のコリが起こるのでしょうか。

頭は体重の10%もの重さがあります。その重い頭を載せているのが首の頸椎です。頭の重心は頸椎よりも前側の耳の穴のあたりにあります。そのため、そのままだとシーソーの原理で頭は前側に倒れてしまいます。

そうならないために後頭部から背中の上部にかけて、僧帽筋という大きな筋肉が頭を後ろ側(背中側)に引っ張っているのです。つまり、重い頭が前に倒れないように筋肉が引っ張っているので私たちの顔はうつむかず、じっと前方に向けていることができるのです。

じっとしていても、頭を支えるために僧帽筋をはじめとする首、肩、背中の筋肉はいつも酷使されています。ところが、ねこ背になると前側にさらに重みがかかって、僧帽筋などの筋肉への負担がさらに増えるのです。

そのために疲労物質(乳酸など)が首、肩部分の筋肉に蓄積されて、痛みを感じるようになります。これが厄介な肩こりや首、背中のコリの原因なのです。

ですから肩や首のコリを解消するにはまず、ねこ背を治し、姿勢を良くすること。これにつきます。姿勢が悪いままでは湿布、塗り薬、マッサージなどを行って短期的にコリが軽減されたとしても、根本的な改善にはいたらず、しばらくたつとまた、しつこいコリに悩まされることになります。

※本連載は『太ももを強くすると「太らない」「超健康」になる』(宮崎義憲 著)からの抜粋です。