世界に冠たる技術力を武器に、製造業が輸出で稼ぐ日本の「貿易立国」の基盤に危うさが漂い出してきた。モノやサービスなどの海外との取引を示す昨年11月の経常収支が、単月としては過去最大の赤字額に膨らんだからだ。2013年暦年の経常黒字額は過去最小が見込まれ、数年後には経常赤字国へ転落する懸念が現実味を増してきた。
財務省が14日発表した11月の国際収支(速報)によると、経常収支は5928億円の赤字だった。統計を比較できる1985年以降で、12年1月の4556億円を上回り、過去最大の赤字額に達した。主因は、経常収支を構成する輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支が11月としては過去最大の赤字額(1兆2543億円)に陥ったためだ。原子力発電所の稼働停止が続き、燃料の液化天然ガス(LNG)や原油の輸入数量が増えたうえ、円安の進行からドル建て取引がさらに燃料費輸入額を嵩上げした。
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