サービス業では、主に容易に数値化できるという点で以下の3つの指標を参考にするとよい。

●サービスの欠陥(顧客喪失)

ハーバード・ビジネス・スクールの教授W・アール・サッサーJr.とベイン&カンパニー取締役フレデリック・F・ライクヘルドは、独創性に富んだ論文『Zero Defections: Quality Comes to Services』で、サービスの品質の欠陥がいかに顧客喪失につながるかを示した。単に顧客の期待に応じるだけでは十分ではなく、100%満足しない顧客は他のサービス提供者に乗り換えがちであると著者は言う。

●顧客満足度

別の論文『Putting the Service-Profit Chain To Work』の中でサッサーJr.と共同執筆者は、「顧客満足度は顧客ロイヤルティーと長期的収益を促進する」という概念を開拓した。顧客が価値をいかに定義するかを明確に表現し、その価値を測定し、そしてそのような価値を提供することを中心に内部工程を構築すれば、より大きな顧客ロイヤルティーおよび長期的収益という結果を得ることが多い。

●サービスにかかる時間

シティバンクは口座開設プロセスにおける自行内のサービス標準を導入することにした。ほとんどの銀行は、新規顧客口座開設は平均3日以内だったが、シティバンクは自行のプロセスを分析し新規顧客口座開設に平均6日かかっていることを発見したのだ。

欠陥を測定するには、適切な質問を投げかけ、顧客から意味のある返答を収集することができる熟練した調査担当者とサービス担当者が必要とされる。