[ 3 ] 根本的原因を厳密に調査する

特定のサービスの欠陥を確認し、測定したからには、繰り返すべき質問は「それは何故か」である。この問いかけによって顧客不満足度または欠陥の根本的理由を探していくのだ。理由は1つではないことが多い。その中で主要な要因を確認すれば、顧客に対してよりよいサービスを提供するシステムを構築することができる。

ある保険会社が、代理店への委託手数料の小切手が頻繁に間違っているということに気づいたとき、さらに深く掘り下げ、その欠陥の根本的原因をいくつか発見した。根本的原因には次のようなものがあった──複雑な手数料体系、その規則の知識を持たない小切手処理担当者、小切手処理の込み入った手続きなど。一度これら根本的な原因が解明されると、保険会社が手数料体系と手続きを合理化し、小切手処理担当者のトレーニングを改善することは容易だった。

[ 4 ] 長期的コミットメントだということを忘れずに

GE、モトローラ、その他の企業は10万人の従業員にシックス・シグマのトレーニングを受けさせたことを誇っているが、マネジャーは「何人の従業員がトレーニングを受けたか、どのレベルのベルトに達成したかを成功の測定に使うべきではない」とベーカーはアドバイスする。「肝心なのはその手法を実際の仕事に結びつけることだ」。シックス・シグマは導入してから結果を生むのに時間がかかることも多く、導入しさえすれば結果が出るというわけではない。

ミシガン州リヴォニアにあるアメリカン・サプライヤー・インスティテュートの副社長であり、『Design for Six Sigma』の著者スビール・チャウデュリーはシックス・シグマの試みの多くは、指導者たちがシックス・シグマに対する全員の「理解」を確実にしなかったため失敗に終わったことをつきとめた。シックス・シグマの試みの成功には、絶え間ないコミュニケーションと補強が必要とされる。それはほとんどの指導者が十分だと思う以上に高いレベルなのだ。

※参考文献
『Scoring a Whole in One』by Edward Martin Baker (Crisp Publications, 1999)
『Design for Six Sigma』by Subir Chowdhury (Dearborn Trade Publishing, 2002)
『Making Six Sigma  Last』By George Eckes (John Wiley & Sons, 2001)

(翻訳=ディプロマット)