2013年9月3日(火)

「東京五輪」決定を1番喜ぶのはだれか

PRESIDENT 2013年9月16日号

著者
山本 一郎 やまもと・いちろう
評論家

山本 一郎1973年生まれ。96年慶應義塾大学法学部政治学科卒業。IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作に携わり、現在は株式会社データビークル取締役、東京大学政策ビジョン研究センター客員研究員などを務める。『ネットビジネスの終わり』(Voice select)、『情報革命バブルの崩壊』(文春新書)など著書多数。

執筆記事一覧

答える人=山本一郎(評論家)
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外国人のお目当てはハコモノより日本食

9月7日、ブエノスアイレスでのIOC総会で2020年の五輪開催都市が決まる予定だそうです。名乗りを挙げた我らが東京も、猪瀬直樹さんの幾多の面白発言にもめげずかなり善戦しているようで、猪瀬さん以外の東京の底力に感動する毎日であります。

私は東京生まれ、東京育ちの40歳です。留学や海外出張はあれど、人生の大半を東京で過ごしてきました。やっぱり、東京は馴染みがあるし、私には住みやすい。これからも東京で暮らし、東京にたくさん税金を納め、そして東京で死ぬと思います。ああ、私の話はどうでもいいですね、すみません。

首都東京には海外の主要都市に比べてさまざまな良さがあります。安全な道路、便利な公共交通網、ほとんどない停電においしい水道水……。しかし、こうしたインフラは必ず老朽化していきます。果たして首都圏は私の老後まで、いまのような安全で華やかで素晴らしい町でいてくれるのだろうか。こんど生まれる私の第3子も含めた子供たちもまた、私と共にこの町で暮らしていくことを選択してくれるのだろうか、と悩むわけですね。

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五輪後は経済成長率が落ちやすい

そういう長い目線で今回の「五輪招致とは何ぞや」と考えると、違った測面が見えてきます。オリンピックを東京で開催したとして、果たしてどのようなメリットがあるのか。私自身はいまいちピンときていません。戦後の経済成長を経験した日本人は良く分かっているはずです。無理に引き上げた経済効果という「祭」のあとには、ゴミしか残らないということを。

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