シンプルなアクションワードの効果
さて、今回も前回に引き続き、大手証券会社で世界の9割のマネージャーを務めるアメリカ人の友人Lからシェアしてもらったコンセプトをお伝えさせていただこう。前回、忙しい人たちに伝えるために「シンプルであること」はとても大切なことだと書かせていただいた。そこにつながるイメージとして、Lはこんな風に話していた。
「ネガティブな言葉は使わないように心がける」
たったひとつのコンセプトを提示するために、使える表現はたくさん考えられるが、そこでどの言葉を選ぶかが、話の印象を決める決め手となる。たとえば、こんなふたつのキャッチフレーズがついたシャンプーがあったとしよう。
1.ベタベタしないシャンプー
2.サラサラになるシャンプー
同じことを表現するために、どちらがより良い印象で、買いたくなるだろうか?
もちろん人の感覚にもよるものながら、「“ベタベタ”しない」と、ネガティブな表現を否定して肯定する“二重否定”よりも、「“サラサラ”になる」と、ポジティブな表現のほうがストレートにその効果が感じられるのではないだろうか。
また、ネガティブな言葉の印象が商品イメージにつながる可能性も考えられる。「ベタベタ」の印象が強すぎるのだ。否定されるまではその言葉の存在が生きてしまうため、<ネガティブな言葉の否定=肯定>よりも、ストレートな言葉を使ったほうがインパクトは強まるし、よりシンプルである。全面に押し出したいイメージがわかりやすく、説得力も増すだろう。
つまり、「よりシンプルで、行動を端的に表すポジティブな“アクションワード”を使うこと」が大切なのだ。さらにネガティブな表現の使い方としては、ほかにもこんなことに気を付けているという。