ところで、休日のゴロ寝には休養の効果が期待できないのだろうか。

「疲労回復のためには熟睡が必要なことは言うまでもありません。しかし単にゴロゴロしたり、眠っているようで眠っていないような中途半端な状態で過ごしても効果はないし、むろん血行促進や筋肉のケアにもならないわけです。一方、アクティブ・レストを試しても効果や爽快感が得られないようでしたら、単なる疲れと軽視せず、医師に相談することもお勧めします」

ビジネスパーソンは
オン・オフのメリハリを

一つ手前のバス停で降りて歩く、オフィスのビルでは1、2フロアほど階段を下りてからエレベータを使う、帰宅途中に少し街をぶらつく。アクティブ・レストの実践は、このようなことで構わないという。

「そのうえ、ウォーキング程度の無理のないリズミカルな運動を続けると、脳内物質のセロトニンの量が増えて心が落ち着き、爽やかな気分になることも明らかにされています。つまりアクティブ・レストは心の疲れにも効果が期待できるというわけです」

さらに取り組みを習慣づければ、メタボの予防に役立つような、もう少し本格的な運動を始めるきっかけにもなるのではないだろうか。

最後に藤牧先生がビジネスパーソンに向けて強調するのは、オン・オフのメリハリの重要性である。

「オンは活動している時間、オフは休んでいる時間です。意図的に熟睡することはできないわけですから、オフは自分でコントロールできないのです。そこでオンの時間をコントロールすることで生活リズムのバランスを調整し、熟睡しやすい環境を整えてみましょう。ぐっすりと眠った翌朝、目覚めたら日光を浴び、きちんと朝食を取ることで、心身はまたしっかりとオンに切り替わります。ビジネスの場にいる限り、疲れるのは当たり前のことです。疲れから逃げるのではなく、どう対処するかを、ぜひ前向きに考えてみてください」

※セロトニンが不足すると疲労感、抑うつ感、不眠などを招く。