②取材先や監修者が誰なのかをチェック
次に、記事の取材先や監修者がどんな人なのかをチェックしましょう。その専門家は、その分野で多くの同業者から支持されているでしょうか。根拠を提示しているでしょうか。専門家の資格はあっても、根拠もなくただ極端なことを言っている人たちもいます。
たとえば、出生後すぐの赤ちゃんにビタミンKを与えることは、とても重要です。ビタミンKは、胎内でお母さんからもらいにくく、母乳中にも少なく、赤ちゃん本人が作ることも難しいからです。乳児期早期にビタミンK欠乏症になると、8割以上の子が「頭蓋内出血」を起こします。こういったことは基礎研究・臨床研究でわかっていて、ビタミンK製剤の効果が高いという国際的なコンセンサスもあるのです(※1)。
しかし、ときどき一部の医師や自称専門家が言っていることをもとに「新生児へのビタミンK投与」を否定する投稿やWEB記事が出てしまいます。もちろん、多くの医療関係者や一般の方たちから批判が殺到し、最終的には削除されるのですが、そのあいだに信じる親御さんがいたら大変なことになります。
このようにデマの内容によっては人の命にも関わります。他の専門家が言う以上の科学的な根拠を示せないような突飛な意見には従わないようにしましょう。
※1 新生児と乳児のビタミンK欠乏性出血症発症予防に関する提言
③「両論併記」していないかをチェック
以前、1冊の育児雑誌に2つの対立する説が載っていたので電話をしてみたという人たちの話を聞いたことがあります。編集部からは「いろいろな意見があるから後はご自身で判断してほしい」という説明を受けたそうです。
でも、両論併記すればいいというものではありません。「一般的な根拠のある説」と「極端な根拠のない説」を同等の正しさがあるように載せて、いろいろな意見があると言い逃れするのはおかしなことです。
他にも「お産をするところは病院、助産院、自宅があります」と書いた本がありました。今も分娩する場所を検索しようとするとAIが「大学病院と一般病院、診療所、助産院の4つに分類されます」と教えてくれます。日本では20床以上ある病院での分娩が52〜53%、19床以下の診療所が46%、助産所が0.5%以下、自宅などでは合計で1%未満です。さまざまな場所があっても、割合を示さないとフェアではないでしょう。
「いろいろな意見がある」といいますが、その内容は玉石混交です。「石」の情報に価値があるでしょうか。それどころか間違っている情報だと、特に育児や健康については害になることがあるので注意が必要です。


