「全国学力テストでトップクラス」の副作用
秋田県も、全国学力テストではトップクラスの自治体です。2007年に全国学力テストがスタートしてから、常にトップクラスの成績を維持しています。「秋田に学べ」という自治体も多く、全国学力テストが始まって初期のころは、多くの自治体が秋田県に視察に訪れていました。全国学力テストで順位を上げる施策を秋田県に教えてもらおう、というわけです。
その秋田県の教員から連絡をもらったことがあります。彼は「不登校の児童・生徒が増えているのを実感しています」と言って、「学力トップクラスにこだわった学力偏重に原因があると考えています」と続けました。
文科省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査」をもとにした秋田県の「児童生徒の問題行動等の状況について」によれば、秋田県内の不登校の数は小学校で、2020年度の278人から、2022年度には476人にと、1.7倍にも増えています。中学校でも777人から1068人と、1.4倍近くの増加です。
なぜ秋田で不登校の子どもが増えているのか
文科省による不登校の定義は、「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」となっています。年間30日未満の欠席なら不登校に含まれないわけです。さらに調査では不登校の定義にあてはまらない「長期欠席者」というくくりがあり、2022年度には秋田県内の小学校で435人、中学校でも467人いることになっています。病気や経済的な理由で登校していない子がこんなにいるとも考えにくいので、これも不登校と考えていいのかもしれません。
とにかく、秋田県でも不登校の子たちが増えている。それを先の教員は学力偏重が原因であり、学力偏重の副作用だと指摘しました。それを説明するために教員は、全国学力テストでトップクラスの成績を続けるために、秋田県でなにが行われているのかを説明してくれました。


