給食に加えて朝と夜も1杯ずつ

なぜ、1日3杯なの? 学校の給食でほぼ毎日1杯は飲むから、それで十分じゃないの? と思われたかもしれません。1日3杯をおすすめする理由は、アメリカで5000人あまりの女子を対象にして行われた、牛乳が成長に及ぼす影響を調べた研究結果にあります(図表2参照)。

牛乳を1日に3杯飲んだ女子と1日に0〜1杯の女子の成長曲線を見ると、調査開始から7年後には平均で約1インチ(約2.5cm)の差ができたのです。

伸び率が高かったのは1日に牛乳を3杯飲んだ女子。つまり、1日3杯飲んだほうが身長が伸びる可能性が高いのです。

1日に3杯を飲むタイミングは、朝、昼、夜に分けてください。体が一度の食事で吸収できるたんぱく質の量は限られています。そのため、一度にたくさん飲むのではなく、分けて飲んだほうが効率よく吸収できるのです。

食が細い子どもは、食事と食事の間の時間に牛乳を飲むなどして、食事量が減らないように注意しましょう。

睡眠中に成長ホルモンが分泌される

子どもの成長を促す成長ホルモンは、睡眠中や運動後にたくさん分泌されます。特に睡眠中に分泌される成長ホルモンは重要。しっかりと分泌させて成長につなげたいものです。

そこで重要となるのが栄養です。牛乳に含まれるトリプトファンというアミノ酸は、睡眠のリズムを整えるメラトニンというホルモン産生に欠かせません。

くわしく説明すると、食事で摂ったトリプトファンからセロトニンという神経伝達物質がつくられ、そのセロトニンからメラトニンがつくられ、睡眠のリズムが整うという仕組みです。

つまり、トリプトファンを含む牛乳を飲むことで睡眠のリズムが整い、成長ホルモンの分泌がスムーズになり、身長の伸びが促進されやすくなるというわけです。

ちなみに、セロトニンは朝日を浴びることで分泌が促されます。朝食で牛乳を飲んでトリプトファンを摂取し、朝日を浴びてセロトニンをしっかり分泌する習慣をつけることで、メラトニンの分泌もスムーズになるということです。