穴水 そこで「エネファーム」は、言い換えると「家庭用燃料電池コージェネレーションシステム」になるわけです。コージェネレーションは、日本語で熱電併給などといって、1つのエネルギーから電気と熱の2つを同時に取り出し、両方を有効利用する技術です。
高樹 まさに効率的ですね! 例えば大規模発電所の場合、熱まで活用されてはいない場合が多いと思うのですが。
穴水 はい。熱はなかなか遠くまで運べないので、その多くを海や空気中に放出するしかありません。また電力も、家庭などへ送電する間にロスがある。そのため大規模発電所では、石炭、石油、天然ガスなどの一次エネルギーの利用効率が約37%にとどまります。一方、「エネファーム」は、自宅で発電した際、発電時の熱も有効利用できるため、一次エネルギーの利用効率が85.8%に上るんです(図1)。
高樹 高い利用効率ですね。「エネファーム」では、どれくらいの電気やお湯がつくられるのですか。
穴水 まず電気の最大出力は0.75kW。一見、少ないようですが、標準的なご家庭の年間電力使用量のうち、約50%を「エネファーム」で賄える計算です※1。
高樹 およそ半分の電力が賄えるとは、かなりの量だと思います。私は正直、1~2割ではないかと想像していました。
穴水 お湯は、貯湯タンクに147リットルまで貯められます。お湯が足らないときは、バックアップのガス給湯システムも付いていますからご安心ください。
高樹 なるほど。自宅で発電し、発電時の熱も有効利用できる。環境にやさしいのは間違いありませんね。