家事効率を高める工夫が
「良い子育て」につながる

実際に住まいづくりを検討する際には、「立地」「間取り」「設備」の3点から考えていくことが重要です。

最初の「立地」は、自分たちの望む子育て環境に合っているかどうか。また、地域の防犯マップやハザードマップなどを参考に通学路の安全性や、保育所や学校などに迎えに行きやすい距離かどうかもチェックしておきたいものです。

次に「間取り」ですが、最近は、子どもが個室に入る前に必ずリビングに寄れるような間取りがよいと言われています。しかし私としては、それはしつけの問題だと思っています。間取りがどうあれ、帰宅して親に「ただいま」とあいさつするしつけがなされていなければ、同じですから。

それよりも、間取りで一番考えなければならないのは「家事効率」に配慮すること。特に30代の家庭では共働きが多いのですが、奥さんが仕事のストレスを抱えたまま、家事にも時間と労力がかかるとなると、結果的に子育てが苦しくなってしまいます。家事効率を良くすることで、時間に余裕が生まれれば、精神的にゆとりを持って子どもに接したり、しつけなどもできるわけです。

具体的にはキッチンとダイニングのつながりに配慮したり、洗濯して干すといった家事動線を短くする工夫をする。ご主人やお子さんが家事に参加しやすいように、オープンキッチンにしたり、キッチン周りにゆとりを持たせるのも1つのアイデアです。また、今は食器洗い機など家事効率を高める機器がたくさん出ているので、導入するのもお勧めです。

最後に「設備」ですが、まずは「断熱性」「気密性」など、家自体(躯体・サッシ・出入り口)の基本性能を高めることが大切です。その上で、子育て世帯はお湯をたくさん使うので、給湯設備から省エネなどを考えるのもいいでしょう。床が暖かいので家族が集まりやすいとか、温風や燃焼によらず、足元から温めるので室内の空気がきれいといった観点から、床暖房も子育て世代に良いと思います。

また去年の春頃からは、スマートハウスがトレンドになっています。スマートハウスの太陽光発電や燃料電池、蓄電池設備、HEMSなどは、補助金制度が整っています。子どもや孫世代を考え、環境に配慮した省エネルギーな暮らしを実践するためには、自家発電の仕組みを備えたスマートハウスを検討されるのがよいのではないでしょうか。

※HEMS:Home Energy Management System の略で、IT技術を活用して家庭内のエネルギーをコントロールする仕組みのこと。