都市ガスの中の水素と空気中の酸素で、“電気”と“お湯”をつくる──。そんな家庭用燃料電池「エネファーム」を自宅に設置する人が増えている。フリーキャスター・高樹千佳子さんも注目の「エネファーム」のある暮らし。実際のユーザーは、どんなところに魅力を感じているのだろうか。

光熱費の節約、節電にも
貢献してくれる

「新築の着工直前に東日本大震災が起こり、計画停電も経験。1つのエネルギー源に依存することの危うさを感じました」

「自宅で電気をつくることで、節電と省エネに貢献したいと思いました」

「いまのライフスタイルはそのままに、自然とエコができて、そのうえ快適性も加わるんですから、理想的だと思います」

これらは東京ガスに寄せられたユーザーの声。自宅に、家庭用燃料電池コージェネレーションシステム「エネファーム」を設置した人たちの動機や感想だ。

いま、住宅購入やリフォーム時に家づくりにあたってエネルギー関連の設備に関心をもつ人は多いだろう。「エネファーム」は都市ガスから電気とお湯をつくるシステム。電気だけでなく、発電時に出る熱を活かして給湯などに利用する。一般的な家庭でのエネルギー消費の9割以上を占めるのは、電気製品(照明含む)と給湯だ(資源エネルギー庁「平成23年度エネルギーに関する年次報告[エネルギー白書2012]」より)。まさにその“電気”と“お湯”を同時につくり、暮らしをサポートしてくれるのが「エネファーム」である。

最新の住宅設備として、「エネファーム」が人気を集めている理由。その1つとしてまず挙げられるのが、やはり経済性と節電だろう。一般的な家庭の場合、使用する電力量のおよそ半分を「エネファーム」でまかなうことが可能※1。つまり、その分電力会社から購入する電力を減らすことができ、節電にも効果的だ。ガスの使用量は増えるが、お得なガス料金メニューも用意されているため、トータルでみると光熱費も節約できる場合が多い。

さらに最近注目なのが、太陽光発電と組み合わせる「ダブル発電」だ。ご存じのとおり、太陽光発電による電気は余ったら売電に回すことができる。ダブル発電の家では、「エネファーム」でつくった電気を優先的に使うので、売電量は基本的にアップする。このため、「月によっては、売電金額が電気代を上回った」という家庭も出るほどだ。もちろん、「エネファーム」と太陽光の自家発電だけで電気が足りないときは、電力会社からの電気を使えるので心配ない。