プレジデント調査室_vol.15 将来、実家はどうする?
仕事や人生の重要テーマについて、PRESIDENT編集部が独自に行った調査からビジネスリーダーの偽らざる本音をあぶりだす「プレジデント調査室」。その調査結果について、PRESIDENT Business Portalにてお伝えします。第15回のテーマは「実家」です。

仕事が順風満帆な人にも、プライベートの問題は降りかかります。地元から離れてバリバリ働いている人ほど頭を悩ませる問題の一つが、生まれ故郷の家をどうするかです。処分するにしても、親や兄弟、親族との人間関係が絡んできますし、様々な制度の壁もあります。実家についての悩みを読者に聞きました。

プレジデント編集部では、2022年9~11月、PRESIDENT Online会員に対してアンケートを実施。計3033名分を集計しました。

【図表】あなたの年収を教えてください

まず、Q1では回答者の年収をうかがいました。以降の設問では、それぞれの回答を年収別にまとめています。

【図表】あなたは実家から離れて暮らしていますか

Q2で「あなたは実家から離れて暮らしていますか」という質問をしました。どの年収の回答も7割以上が、「はい」と回答しており、実家から離れて暮らしている人が多いことがわかります。600万円以上の層になると、その割合はさらに8割に増え、年収が高い人ほど実家から離れて暮らしている傾向があるようです。

【図表】実家には住んでいる人がいますか

Q3では「実家には住んでいる人がいますか」という質問をしました。どの年収の層も高い割合で「はい」と回答しており、親・自分自身・兄弟など、実家を管理している人がいるようです。実家の問題は喫緊の問題ではないにしろ、今後どうしていくのか今実家に住んでいる人と話す必要があるかもしれません。

【図表】実家について不安なことはありますか

さらに、Q4では「実家について不安なことはありますか」という質問をしました。どの年収でも実家について少なからず不安を抱えているようですが、年収で分けた結果、「600万円」の部分で回答が分かれています。600万円未満の層よりも、600万円以上の層のほうが「はい」と回答した人が多く、年収が高い人のほうが何かしら実家について不安を抱えているのではないかと思われます。具体的にどんな不安があるのかについては、Q7で質問しています。

【図表】実家を将来どうしたいか、最も当てはまるものを選んでください

Q5では「実家を将来どうしたいか」という質問をし、最も当てはまるものを選んでもらいました。注目したいのは、2000万円以上の回答です。2000万円以上の層では、他の年収の層に比べて「実家で暮らしたい」の回答が「11.1%」と最も少なく、対して「売却・処分したい」「兄弟などの家族に任せたい」「人に貸したい」などの回答が多くみられました。特に、「人に貸したい」の回答は10.3%で、他の年収の層と比べても約2倍です。年収2000万円以上の人は、(実家を)人に貸すなど自分が住む場所とは別に“資産”として活用したいという意向がありそうです。

【図表】実家に関する不安について、当てはまるものをすべて選んでください

Q6では「実家に関する不安について、当てはまるものをすべて選んでください」という質問をしました。どの層でも回答が多くなっているのが、「維持費がかかる」「建て替え・リフォームにお金がかかる」です。特に、600万円以上1200万円未満において、「維持費がかかる」が35.4%、「建て替え・リフォームにお金がかかる」で33.2%で多くなっています。自身が住んだり、資産として活用したり、など相続対策でどんな選択を考えているとしても、少なからず実家にかかるお金の面で不安があるようです。

最後に、Q7では「実家の整理・処分について、知りたいことがあれば教えてください」という質問をし、以下のような回答が寄せられました。

●実家は駅前のマンションで資産価値はあるが、兄弟全員が生活拠点を持っているため、どういう活用方法が相続する者たちに最適なのか知りたい。
●家具の廃棄等が自治体によって手順が異なり手続きがわからない。
●解体して更地にすると税金が上がる、逆に免除してほしい。

上記は寄せられた回答の一部ですが、自分や家族の状況でどんな対策をとるのが適切か、どんな処分の方法があるのか知りたいなど、まずは、相続に関連する情報を知ることで自身の相続対策が一歩進むようなことが気になるようです。

2022年度に税制改革がなされたこともあり、現在相続をとりまく環境や選択肢は多岐にわたります。税金対策や維持にかかる費用、資産としての活用など、ビジネスパーソンの中には相続に不安を抱える人も多いことが今回の結果からわかりました。特に2000万円以上の年収が高い層は、“資産”としての活用を考えている傾向がありました。「いずれは考えないといけないが、まだ……」と検討を先延ばしにせず、自分や家族、親族にとってどんな選択をとるのが良いのか、いざ相続対策が必要になってからではなく、早いうちから考えておきたいものです。

*四捨五入の関係で合計が100%にならない場合があります。
*調査&集計方法:2022年9~11月、PRESIDENT Online会員に対してアンケートを実施。計3033名分を集計。
*構成:PRESIDENT編集部


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