プレジデント調査室vol.12
仕事や人生の重要テーマについて、PRESIDENT編集部が独自に行った調査からビジネスリーダーの偽らざる本音をあぶりだす「プレジデント調査室」。その調査結果について、PRESIDENT Business Portalにてお伝えします。第12回のテーマは「オフィス」です。

コロナ禍を経て、リモートワークという働き方は当たり前になりつつあります。一方で、感染拡大が落ち着いたことで原則出社を打ち出す企業も。今後、オフィス環境はどのように整備していけばよいでしょうか。2022年からの出社状況や、オフィスに求める役割についてアンケートを実施しました。

プレジデント編集部では、2022年9~10月、PRESIDENT Online会員に対してアンケートを実施。計1562名分を集計しました。

Q1 あなたの役職を教えてください

まず、Q1では今回の回答者の役職をうかがいました。「経営者・役員」「管理職」を合わせると58%を占め、回答者の半数がビジネスリーダーになっています。

Q2 2022年4月以降で平均して、リモートワークを週何日実施していますか

Q2では「2022年4月以降で平均して、リモートワークを週何日実施していますか」という質問をしました。回答を役職ごとにまとめています。どの役職も「原則出社している」が50%以上になっていますが、中でも「経営者・役員」は65%と「管理職」「一般社員」と比べると若干多くなっています。

Q3 仕事をしていて、オフィスは必要だと思いますか?

Q3では「仕事をしていて、オフィスは必要だと思いますか?」という質問をしました。「経営者・役員」「管理職」「一般社員」では「(オフィスが)必要だ」という回答が最も多くなっています。特に経営者・役員は、「必要だ」の回答が55%と半数以上を占めています。対して、管理職・一般社員は「必要だ」という回答に対して、「あったほうがいい」も同じくらいの割合を占めており、役職が一般職員に近づくほどオフィスの存在をそこまで重視していない傾向がうかがえます。

では、「(オフィスは)必要だ」と回答する理由は、どのようなものがあるでしょうか。次のQ4ではそれぞれの役職別に、「オフィス」に求める役割をうかがっています。

Q4 あなたがオフィスに求める役割を教えてください(複数選択可)

Q4では「オフィスに求める役割」を聞きました。どの役職の層でも回答が多かったのは、「プライベートから切り替える」でした。この結果から、働く場所がオンオフのスイッチになるビジネスパーソンがが多いことがわかります。もうひとつの「集中して作業をする」も、プライベートから切り替えるに近い回答といえるでしょう。

また、特に管理職以上において「機密情報や外部に出せない情報を扱う」という回答が多いことも特徴的でした。Q3で管理職以上の役職者で「(オフィスは)必要だ/あったほうがいい」という回答が多かった背景には、管理職以上ともなると業務上、機密情報などを扱う機会が増えるという理由もあるのかもしれません。

逆に、「仕事のモチベーションを高める」「集まって部署の結束力を高める」といったモチベーションや気持ちに直結する項目は、経営者・管理職と一般社員/その他で意識に大きく差がでていることも特筆すべき点といえます。管理職には、一般社員との間にこういった意識のギャップがある可能性を念頭に置きながら、出社規定を制定したり、日々のマネジメントをすることが求められるのではないでしょうか。

他に自由記述で寄せられた回答として以下のようなものがありました。

●コントロールセンターとしてオフィスは必要
●かしこまらずに情報を交換するきっかけを生み出す場
●会話がなくてもリアルなつながりを感じる

また、仕事上オフィスが必要不可欠、といえる以下のような回答もありました。

●接客業のため、店舗やオフィスは不可欠
●研究設備が自宅にはないから

新型コロナウイルスの世界的な流行は多くの人の働き方に影響しました。以前のように「毎日出社する」ことが当たり前ではなくなりつつあります。「フルリモート」のようにオフィスを全く利用しない働き方を選択する人もいます。このような選択肢をとるビジネスパーソンも増える中、オフィスをなくす、もしくは縮小化する企業も少なくありません。

しかし、今回のアンケートから多くのビジネスパーソンがオフィスに役割を求め、うまく自分自身や仕事に役立てようとしていることがわかります。例えば、求める役割の回答にあった「プライベートから切り替える」「集中して作業をする」の回答は、オフィスで働くことで自身の生産性向上につなげているとも推測できます。

アンケートの結果を踏まえ、これからは出社する人、リモートで働く人、などどんな働き方をする人にとっても、それぞれが求める役割にこたえられるオフィスを整えていく必要がありそうです。従来の最低限のニーズにこたえた画一的なオフィスから、仕事のメリハリがつき効率的に業務が行えるオフィスへの切り替えが、企業が従業員のために取り組むべき課題のひとつといえるのではないでしょうか。

*四捨五入の関係で合計が100%にならない場合があります。
*調査&集計方法:2022年9~10月、PRESIDENT Online会員に対してアンケートを実施。計1562名分を集計。
*構成:PRESIDENT編集部

『PRESIDENT』では、今後もこのような読者への独自調査を続け、ビジネスパーソンの本音をひもとく取り組みを続けてまいります。

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