睡眠、仕事、食事と機内の
時間を自由にアレンジ

キャセイパシフィック航空の長距離路線の新しいビジネスクラス。単身でも同行者がいても快適だ。

機内の時間も、出張の貴重な時間の一部だ。特に長距離便では、機内でどう過ごすかが現地での生産性を左右しかねない。過ごし方は人それぞれだが、各人のニーズにかなった時間を過ごせるのが上級クラス。例えば到着後すぐに商談や会議があるのなら、機内ではできるだけ眠っておきたい。そんなビジネスパーソンの要望に応えて、航空会社は長距離線のビジネスクラスに快眠にこだわった最新のプロダクトを次々と導入。キャセイパシフィック航空や大韓航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、アリタリア航空、スイス インターナショナル エアラインズ、デルタ航空、カタール航空、エミレーツ航空など多くの航空会社が、水平なベッドになるフルフラットシートを長距離便に搭載している(*3)。JALも来年1月の成田/ロンドン線を皮切りに、最新のフルフラットシートを欧米線に順次導入する。

JALが欧米線のビジネスクラスに順次導入予定のフルフラットシート。寝心地にこだわった。

一方、日本発の欧州線のように現地に夕方到着する場合は、機内で仕事をする人も多い。そのため最新のビジネスクラスは、パソコンを広げて仕事ができる大型のテーブルやPC電源、USBポートなどを各座席に装備。さらにJALやルフトハンザ ドイツ航空などは、日本路線に機内Wi-Fi接続サービス(有料)を順次導入中だ。PCやスマホなどの無線LAN対応端末があれば、オフィスにいるのとほとんど変わらない環境で仕事ができ、機内の時間がより充実したものとなる(*4)。

目的地に着いて降機するときも、上級クラスは優先される。また搭乗時に預けた手荷物も先に出てくる。どの場面でもストレスのない対応が受けられるのだ。さらに空港到着後、無料のリムジンサービスを用意する航空会社もある。エミレーツ航空はその1社で、上級クラスの利用者には、ドバイ国際空港と現地のホテルやオフィス間などでリムジンによる無料の往復送迎サービスを提供する(*5)。

上級クラスでもエコノミークラスでも、飛行時間は変わらない。だが、上級クラスでは、機内でも地上でも、時間の過ごし方を乗客自らがマネジメントできる。結果的に移動中の心身のストレスが軽減されるため、現地では持てる力を十分に発揮して、限られた時間に中身の濃い仕事ができるのである。これこそ、時間の有効活用にほかならない。

直行便のない都市へは
ルート選びがポイント

ところでもうひとつ、出張を効率化するための条件がある。直行便のない都市へ行く際のルート選びだ。ポイントは、所要時間が短く、乗り継ぐ空港が使いやすいこと。これらの点で便利なのは、大韓航空利用のソウル乗り継ぎやキャセイパシフィック航空利用の香港乗り継ぎである。両社は地方都市発着を含めて日本路線が豊富で、日本から直行便のない都市へもそれぞれの拠点からノンストップで飛べるケースが少なくない。例えば大韓航空は、マドリッドやナイロビ、テルアビブ、リヤド、ジェッダなどへ日本の主要都市からソウルでスムーズに乗り継げる(*6)。またキャセイを利用して欧州へ乗り継ぐ場合は、日本を夕方発ち、現地に翌朝着くスケジュールが多い。香港/欧州間は眠っている間に移動できるため、時間が節約できる。航空会社のサービスを上手に使い、直行便のない都市へは賢く乗り継いで、生産性の高いビジネストラベルを実現したい。

*1:それぞれに「ファーストクラスラウンジ」と「サクララウンジ」(主にビジネスクラス用)を設置。
*2:ラウンジによりサービス内容が一部異なる。
*3:航空会社により、一部の機材はサービス内容が異なる場合がある。
*4:座席クラスを問わず有料で利用できる。
*5:世界の55都市以上で実施。適用条件あり。
*6:路線によっては運航曜日が限られる。