いつもニコニコと口角が上がり、ウィットに富んだ冗談で周囲を賑わせ、本人も周りも笑顔に溢れさせる――。人望が必要なリーダーにとって笑いは不可欠な武器になります。では実際に、笑いに対する考え方と年収に関係はあるのでしょうか。アンケートの結果から分析しました。
プレジデント編集部では、2022年8月、PRESIDENT Online会員に対してアンケートを実施。計2802名分を集計しました。
まず、Q1で回答者の年収を聞きました。今回の回答者で最も多い層は「600万円以上1200万円未満」の層で、39%を占めています。
PRESIDENT Onlineの媒体資料に記載している個人年収の平均は733万円で、今回の回答者を含め、PRESIDENT Onlineの読者の年収は比較的高いといえます。
次に、Q2では「人との会話について、あなたに最もあてはまるものはどれですか」という質問をしました。回答を年収別にわけまとめています。どの年収も「意図的に笑わせようとして、よく笑いを取っている」が最も多くなっており、年収の層が上がるにつれ、その割合が増えています。特に1200万円以上の回答者は、半数以上が意図的に周囲を笑わせているとと回答しており、高年収になるほど、周りとのコミュニケーションの一環として、「狙って」笑いをとりにいっているのかもしれません。
次に、Q3では「日常生活において、あなた自身はどのくらい笑いますか?」という質問をしました。どの層も「面白いことがあれば笑う」という回答が多くなっています。注目すべきは「周りが笑っていても笑わないことが多い」「笑うことは少ない」の回答です。年収1200万円以上の層は、2つの項目を合わせても3%なのに対し、300万円未満の層は10%で約3倍になります。数値としては少ないので必ずしもとはいいきれませんが、年収が高くなるにつれ、仕事・プライベートも含め日常生活において笑うことを意識しているのかもしれません。
次に、Q4では「仕事にユーモアは必要ですか?」という質問をしました。どの層も「ユーモアはどんな時でも必要だ」という回答が半数以上になっており、特に1200万円以上の層では68%を占めています。「ユーモア」と一言でいうと、冗談や軽口のようにネガティブにも捉えられますが、センスのあるユーモアは周りの緊張をやわらげる、親近感や信頼感を高める、部下のモチベーションを上げる、などの効果が期待できます。尊敬されるビジネスリーダーはセンスのあるユーモアを持っている人が多いのではないでしょうか。
最後に、Q5では「今の仕事に満足していますか?」という質問をしました。年収の層が高くなるにつれ、「とてもそう思う(満足している)」の回答が多くなっています。この結果をQ3で質問していた「周りが笑っていても笑わないことが多い」「笑うことは少ない」と比較すると興味深いことがわかります。Q3では、年収が少ない層になるにつれて、「周りが笑っていても笑わないことが多い」「笑うことは少ない」の回答が多くなっていました。日常生活で笑うことと、仕事の満足度は関連性がありそうです。
Q2で質問した項目「意図的に笑わせようとして、笑ってもらえないことが多い」という項目のように、ユーモアを発揮し、笑いで周りの雰囲気を和らげることに難しさを感じる人もいるかもしれません。しかし、いつもニコニコとしていて親しみをもてる、ユーモアのある会話で周りの雰囲気をやわらげられることは、周りの人はもちろん、組織全体のモチベーションを高めることにつながります。ビジネスリーダーこそ、積極的に笑いをとっていく姿勢が必要不可欠ではないでしょうか。
*四捨五入の関係で合計が100%にならない場合があります。
*調査&集計方法:2022年8月、PRESIDENT Online会員に対してアンケートを実施。計2802名分を集計。
*構成:PRESIDENT編集部
『PRESIDENT』では、今後もこのような読者への独自調査を続け、ビジネスパーソンの本音をひもとく取り組みを続けてまいります。
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