景気の低迷、消費税増税、年金不安、大地震をはじめとした災害の脅威……。
私たちはいくつもの厳しい問題に直面している。
だからこそ、かけがえのない家族の生命と資産を守り、
毎日の暮らしを営む場である「住まい」を
どうつくるかに大きな関心が寄せられているといえるだろう。
心地よく、環境負荷が少なく、安全・安心で長く住み継げる「住まい」。
あなたに合った提案が、きっとこの特集の中にある。


 

「一生困らない住まい」をつくる

家族と資産を守る「強い生活基盤」住まいの原点を重視しよう
中島早苗 リビングジャーナリスト・「家の時間」編集主幹
満足度の高いリフォームにするための5つの条件
石田典彦 リフォームビジネス研究所所長
<2013年版>マイホーム・マネー作戦
有山典子 マネー・ジャーナリスト

住友林業 ビッグフレーム構法の家
強く、広く、家族にも地球にもやさしいビッグフレーム構法の木の家

TOTO 毎日使う場所だから家族にも環境にもやさしく これが「水回り文化の牽引役」の最新提案だ
sazana(サザナ) 日々の入浴を至福の時間に。寛ぎ機能充実のシステムバス
NEOREST(ネオレスト) 先進の清潔機能でトイレがもっとリフレッシュの空間に


 

現在、いくつもの厳しい問題に直面し、社会にはさまざまな不安感が蔓延している。そんな状況下で、住まいを確保するためには、これまで以上にリスクをいかに軽減させるかが大きなテーマとなる。長年にわたり、住まいに関する取材を続けてきた著者が必要不可欠なポイントをアドバイスする。

中島早苗●なかじま さなえ
リビングジャーナリスト・「家の時間」編集主幹

1963年東京生まれ。日本大学文理学部国文学科卒。アシェット婦人画報社で12年在籍した住宅雑誌『モダンリビング』をはじめ『メンズクラブ』『ヴァンサンカン』副編集長を経て独立。約20年間400軒あまりの家と家族、建築家、ハウスビルダーなどへの取材実績を基に、「ほんとうに豊かな住まいと暮らし」をテーマとして、単行本や連載執筆、講演等活動中。著書に『建築家と家をつくる!』『北欧流愉しい倹約生活』(PHP研究所)『やっぱり住むならエコ住宅』(主婦と生活社)『住まい方のプロが教えるリフォーム123のヒント』(日本実業出版社)『建築家と造る「家族がもっと元気になれる家」』(講談社+α文庫)ほか。

増税、年金、地震――不安が多い
時代のリスクヘッジを考えた家

景気の低迷、消費増税、年金問題、大地震の脅威……のっけから穏やかならぬ話題で恐縮ですが、現在、私たちはいくつもの厳しい問題に直面、社会に不安感が漂っているのも事実です。

そんないま、そしてこれから、家を新築、建て替えする場合、押さえておきたいポイント、注意点は何か。

どんな側面を重視して家づくりをすべきかと問われれば、私は「家族と資産を守る強い生活基盤として家をつくる」と答えます。

経済が堅調だった頃まで「夢のマイホーム」などの表現があったように、ある意味、家づくりは自分の抱く夢の実現でした。料理のレパートリーが増えそうなシステムキッチン、ホームパーティーのできる広いリビング、建築家によるスタイリッシュなデザイン……。いまでもそうした夢は消えたわけではありませんが、家づくりはもっと現実的な面が重視、優先され、よりシビアに切実に検討されるようになりました。

例えば、大地震が起きても住人がつぶされないか。光熱費がなるべくかからない、省エネ住宅。太陽光発電などでエネルギーはある程度自給自足したい。親や兄弟とシェアして住めば、いろいろな面でさらにエコ。この先、生活が変わった場合、売ったり貸したりしやすい価値、性能のある家かどうか。

この先行き不透明な世の中で、なるべく安心して暮らすために、先に挙げたようなリスクヘッジを考えた賢い家づくりをすべきではないでしょうか。