経験がなく、リソースは限られ、時間的な余裕もない――。新規事業担当者の前に立ちはだかる壁は厚い。いつ、何をすれば乗り越えることができるのか。その水先案内人となってくれるのが「Sony Startup Acceleration Program(SSAP)」のアクセラレーターたちだ。SSAPのビジネスデザインを担当する渋谷正利氏は「3カ月で成果を可視化し、最短距離での事業化を目指します」と言う。医療、食品、金融をはじめ多様な業界で続々と導入されているSSAPは、なぜ強力なサポートが可能なのか。その理由とは――。

“新規事業開発のプロ”が事業会社の社員目線でゴールまで伴走

ソニーが豊富なノウハウを活用して整備した自社内起業用の仕組みを、新規事業支援サービスとして社外にも展開しているのが「SSAP」である。2018年の社外向けサービス提供のスタート以降、加速度的に実績を伸ばし続けている。

「2023年7月末時点で社外へのサービス提供実績は22業種に対して360件以上。“あらゆる人に起業の機会を。”というスローガンの下、医療、食品、金融など、多様な業界の皆さまの新規事業をお手伝いしています」

渋谷正利(しぶや・まさとし)
ソニーグループ株式会社
Startup Acceleration部門
Open Innovation & Collaboration部
MK & Communications Team
ヤフー株式会社にて、日本最大規模の求人サービスや新規事業の開発を経験。その後、ソニー・インタラクティブエンタテインメントへ入社。マーケティング、ビジネスプランニング担当としてPlayStation Storeのビジネス拡大を牽引。SSAPでは社内外の新規プロジェクトの推進、社会実装に貢献。

SSAPでは毎月、定期的にサービス提供実績や支援メニューなどに関する説明会を開いている。渋谷氏によると参加者の多くが、新規事業やプロジェクトに対する焦りや不安、危機感といった悩みを吐露するという。

「私たちは、まず3カ月で成果を可視化することをご提案しています。新規事業は担当者の取り組みが、社内から見えづらい領域だからです。事業計画をまとめ上げたり、プロトタイプ開発を完了させたりと、短期間で目に見える成果を社内に示すことが大切です」

なぜSSAPは強力なサポートが可能なのか。一つ目のポイントは「一気通貫で新規事業開発を支援できるサービスラインアップ」を持つことだ。

「SSAPはアイデア創出から事業化まで、時間軸に沿ってすべてのフェーズに対応できる点が強み。これまでにソニーが経験してきた事業化のプロセスを徹底的に検証し、社外のお客さまにもお使いいただけるよう標準化しています」

二つ目は、その仕組みを動かすプロフェッショナル集団「アクセラレーター」の存在だ。ミッションは「ゴールに向かってしっかりとお客さまに伴走すること」。

「アクセラレーターはソニーの社員であり、ソニーは事業会社です。その事業会社で事業を創ってきたアクセラレーターは、大企業で新規事業を立ち上げることの難しさや解決法を熟知しています。お客さまと同じ目線で、悩みを共有しながら寄り添います」

三つ目は「事業化のプロセスを持続的な仕組みとして残す」。市場での展開は一つのゴールではあるが、単発で終わらせないことが「次」につながる。

「組織としてアイデアを吸い上げて評価できる体制、制度を構築できれば、支援なしでも新しい事業を生み出せるようになるはずです。SSAPは、仕組み化のお手伝いも得意としています」

「製品を誰に向けて届けるか」といったビジネスモデル検討から事業化までを1年で実現した株式会社LIXILの電動オープナーシステム「DOAC」の実績からも、いかにスピーディーな支援が行われているかが分かるだろう。

「時間軸の短縮は企業にとって大きなメリットでしょう。新規事業の効果としてはもう一つ、成果が可視化され始めると、企業内の雰囲気がポジティブに変化していくことが挙げられると思います」

渋谷氏は続ける。

「最初の仮説がユーザーのニーズと合致することはまれです。状況に応じて、アクセラレーターは3カ月後、6カ月後のカスタマーサクセスを第一に最善をつくします。SSAPのプログラムは、われわれの経験とノウハウを体系化したものです。お困り事を、ぜひお聞かせください」

ここで紹介しただけでは語りつくせない「新規事業担当者が抱えるよくあるお悩みとその解決方法」を説明するホワイトペーパーが、期間限定でダウンロード可能となっている。実際にどのような悩みがあるのか、またそれをどのように解決していくのか……そう考えるすべての方に、ソニーが持つノウハウは大いに参考になるはずだ。

-- ホワイトペーパーの配布は終了しました --