現役世代の資産運用では
パートナーの存在が重要

──不動産への投資や不動産活用も注目されていますが、これから始めようとする人が心がけるべき点とは、どのようなものでしょうか。

久谷 重要なキーワードは、「収益性」と「相続対策」。何より、綿密な資金計画が大切です。現物を扱う不動産の運用では、借り入れを利用するケースも多いですし、株や債券などとは流動性の面でも違いがあります。より確実なプランを立てる必要があるでしょう。

そうはいっても、こうした細かな事務や管理を、忙しい現役世代が引き受けるのはなかなか大変です。そこでポイントとなるのが、信頼できるパートナー選び。無理のない資金計画や日々の運営・管理など、どれだけの範囲をどの程度のコストで対応してもらえるかを知るためにも、何社かに話を聞いてみましょう。実際にその会社が運営・管理している物件を見学することも重要です。

また、長期に及ぶ不動産の運用では、今ある税制など使える制度はフル活用しつつ、後継者の選定も視野に入れた相続対策も重要です。そのためにも、「親身になって相談に乗ってもらえるパートナー」は欠かせない存在と言えますね。

──最後に、充実したセカンドライフのため、資産運用とは別の側面でのアドバイスがあればお願いします。

久谷 会社人間、家庭人間だった方から、「仕事や子育てが一段落して、ふと気がつくと、周りに誰もいなかった」といった話を聞くことがあります。現役を引退してから慌てて社交に励んでも限界がありますから、やはり今からネットワークを広げておくことが大切ですね。趣味の仲間でもいいですし、最近ではセカンドライフで生かせそうな資格取得などの自己投資をするなかで、新しい仲間を得る人たちも多いようです。

セカンドライフにおける大事な資産は自分自身。健康に留意することはもちろん、共に笑える仲間の存在がその後の人生をより明るく、豊かにします。そんな人との出会いや縁も、お金の備えと同じくらい大切であることをあらためてお伝えしたいと思います。