大手企業での新規事業立ち上げの経験を活かしてAlphaDriveに参画
――お二人はどちらも昨年、AlphaDriveに入社されたということですね。
【岩本】私は新卒で外資系ITベンダーに入社し、その後、大手情報機器メーカー、コンサルティングファームを経て、大手電機メーカーに移りました。業務面ではIT、Non-ITのプロジェクトマネジメントから、事業開発や経営変革などに関わり、大手電機メーカーでは新規事業提案制度やスタートアップとのオープンイノベーションなど立ち上げ・推進をリードし、昨年6月にAlphaDriveに入社しています。
【小島】私は新卒で大手経済メディアに入社し、ビジネス部門でマーケティングや今で言うカスタマーサクセスに従事していました。入社時想定していたキャリアパスが難しいと判断し、6年半経過したところで、個人としてのビジネススキルの習熟や学生の時に関心があった環境・エネルギー分野に取り組みたいと考え、再生可能エネルギー関連事業やファンディングを含むファイナンス、コンサルティングを扱うベンチャー数社で経験を積みました。その後、習得したビジネススキルを活かす形で国内大手金融グループにおいてエネルギー分野の新規事業開発に取り組みました。2020年には自らのライフワークとしてスタートアップエコシステムに飛び込み、国立大学100%出資のベンチャーキャピタルに移ります。周辺地域のスタートアップエコシステムの構築や産学連携、ディープテックからのインキュベーション支援や投資検討等に取り組み、昨年7月にAlphaDriveに入社しました。
――AlphaDriveに入社したのは、どういった経緯からですか。
【岩本】前職で新規事業提案制度に関してAlphaDriveからも提案を受けていたので、存在を知ってはいました。ただ実際に仕事上の関わりがあったわけではありません。一方で私は、データや人の知見などの経済情報コンテンツの共有・活用を掲げているユーザベースグループのサービス・プロダクトのヘビーユーザーでもあったので、そのご縁で新規事業開発における活用方法を記事にしたり、活用法に関してのイベントに登壇したりもしていました。
そんな折、前職でオープンイノベーションをやっていた当時におつきあいのあったベンチャー企業のCEOがAlphaDriveに移り、「一緒にやりませんか」とお誘いを受けたのが、入社のきっかけです。
【小島】私の場合は様々な働き方を検討する中、あるエージェントからの連絡でAlphaDriveという会社を知りました。それまで業務上でSPEEDAやINITIALといったユーザベースグループのプロダクトをユーザー側で利用していましたが、大企業の新規事業支援に特化していたAlphaDriveについて意識が及んでいなかったこともあり、麻生要一代表の本などを読んでみて、「リーンスタートアップの手法を社内起業家向けに純粋な形で適切にアレンジされている」と感じ、カジュアル面談から進めていただいたという経緯です。
AlphaDriveならキャリア豊富なチームメンバーやユーザベースのアセットも活用できる
――入社時の印象はいかがでしたか。
【岩本】私は大企業での経験がメインだったため、スタートアップ規模の会社に移ることには多少の不安はありました。ただ関係者からの紹介というリファラル採用でもあり、カジュアル面談で話を伺ったときも「1から10の事業立ち上げの支援というのは魅力的な仕事だな」と感じて面接担当者と意気投合し、楽しい時間を過ごして、期待をふくらませて入社しました。
【小島】私の場合は麻生代表との面接や、「会社と自分のビジョン・ミッション・バリューがマッチしているか」を確認するバリュー面接を含めて、4回の面接を行って入社しました。ユーザベースではグループとして新卒採用もしていて、私もそこで20代の人たちと同期ということになったのですが、AlphaDriveのみなさんはキャリアも豊富ということもあり、自ら心理的安全性を確立されていて熟練の方も多く、環境に左右されない方が多い印象があります。
――お二人がAlphaDriveに入社された決め手は何でしたか?
【岩本】私のキャリアプランの当面のゴールは、新規事業にCxO(Chief x Officer)として関わりたいということでした。「AlphaDriveならそれが実現できるだろう」と思って入社しました。50歳までには実現したいですね。
【小島】私はスタートアップエコシステムに関わることをライフワークに設定していますが、それは元々「世の中すべての新しい事業が創出され育っていくところに関わり続けたい」という欲求があり、AlphaDriveでは様々なインダストリーに属する事業、様々な起業家の成長、またユーザベースグループを通じた様々な機会に立ち会えるため、元来の動機に一番マッチした場所だと感じています。
今後はAlphaDrive‐ユーザベースグループというアセットを活用して、様々な事業の様々なシーンに関わって、世の中に面白い影響を与えていきたいですね。日本においてはスタートアップ育成の型は段々と整ってきたと感じていますが、オープンイノベーションや資本提携を含めた連携を考えると、スタートアップ側からみて一番重要なステークホルダーである大企業側のイノベーションへの取り組みはまだ途上だと思います。スタートアップエコシステムを大企業側からアプローチすることで、日本のイノベーションエコシステム全体へ良い影響を与えられればと考えています。
新規事業の方法論が、いま大企業から強く求められている
――社会的あるいは業界的に、新規事業創出やアクセラレーション領域の支援について、どういった課題があるでしょうか。
【小島】現状では新規事業を行うために必要な方法論と型が、大企業内に行き渡っていないと感じています。例えば「事業化が決まったものの、今までにない概念のサービスであるため法律で想定されていない部分がある場合、どこに確認を取って進めていくのか」というシーンがあったとします。大企業では新規事業部門のメンバーがその事業の監督官庁に直接見解を伺う仕組みにはなっていないため、大抵は社内の法務担当部署を通じてアプローチする必要があるのですが、既存事業での対応を基準としてアプローチを断られてしまい、チャレンジに二の足を踏んでプロジェクトが止まってしまうこともあります。ただ、多くの場合、自分たちが取り組む新規事業の要諦を法務担当部署に伝え切れていない、自社のこれまでの監督官庁との関係を汲み取ってアクションできていないケースも散見されます。自社戦略においての位置付けからどういったアクションが求められるか、今までの一社員から大企業の経営陣と同じ目線での俯瞰も求められます。
【岩本】新規事業部門のみなさんも、何十もの部署を説得して決裁者に決裁を取るために何をすればいいのかといった、社内の力学や上司・他部門の説得法を知らない人が意外に多いのです。また大企業がオープンイノベーションなどで外部と協力しようとすると、「社内の計画を外に見せられない」とか「社内の承認に時間がかかる」といった問題が出てきがちです。
――そうした課題に対して、AlphaDriveではどのように解決していこうとされていますか?
【岩本】社内で行き詰まったときには、我々のような外部の人間の知見や経験を活用することが有効です。AlphaDriveには大企業独特の作法、社内の壁の突破の方法を知っている人がそろっています。また、社内では既存事業に最適化されたプロセスになっているために、なかなかスピーディーに物事を進められないケースなどもあるのですが、それらの課題に対して、「いったん事業をAlphaDriveでお預かりして、グロースしてからお返しする」といったご支援も行っています。AlphaDriveではこれを「仮想出島」と言っています。
【小島】私は大規模な上場企業側とスタートアップ側、双方の立場での経験がありますが、大企業はスタートアップとはまた違う事情を抱えています。当社のアクセラレーションプログラムは、いずれも大企業内の力学に通じたメンバーが伴走させていただきますので、社内起業家の皆様が置かれた状況を踏まえたソリューションを提供しており、そこがお客様にご支持いただいている大きな部分だと思います。
求めるのは問題意識を持ち、日本を明るく元気にしたいという気概のある人
――AlphaDriveに興味がある人へのメッセージをお願いします。若い人はなじめるでしょうか?
【岩本】問題ないと思います。現在、アクセラレーション事業は40歳ぐらいが中心ですが、アソシエイトとして一緒に案件を推進していくメンバーには30代前半の人もいます。私が最年長で40代後半になります。今は男性ばかりですが、女性メンバーの入社も決定しています。これからの時代は多様性が大事ですから。私自身、新たな事業を生み出し成長させることで社会に貢献し、世の中を明るく元気にしていく仕事をしたいと思っています。そういう思いに共感できる方がいらっしゃったら、ぜひ一緒に、世の中にインパクトを与える事業をつくっていきましょう。お待ちしています。
【小島】これまで大企業・スタートアップ、どちらに身を置いていたかに限らず、新規事業をめぐる日本の現状、あるいは今自分が関わっている事業を推進する上での環境に問題意識を持っている方がいれば、ぜひ来ていただきたいですね。若くても気概を持った方には、キャリアや年齢に関係なく応募していただきたいです。前向きな気持ちがあれば常に新しい刺激があって、力をつけられる環境です。仕事のおもしろさは保証しますので。
【岩本】本当にそうですね(笑)。