マイクロソフト社の提供する表計算ソフト「Excel」。単純な表計算だけでなく、マクロを使った操作の自動化や印刷用文書の作成など、これまで私たちの仕事はExcelに支えられていたと言っても過言ではありません。
今後、DXの加速には、「脱Excel」が必要なのでしょうか、それとも「活Excel」に勝機があるのでしょうか。意見が分かれるところですが、仕事の効率化にはどのくらい、どのように役立っているのか、現況を調査しました。また、Excelに今後期待することは何なのかも聞きました。
プレジデント編集部では、2021年11月、PRESIDENT Online会員に対してアンケートを実施。564名から回答を得ました。「経営者・役員」(104名)と「管理職」(198名)を「ビジネスリーダー」(計302名)として、「一般社員」(177名)と比較した結果をまとめてお伝えします。
「Excelを使っている?」という質問には、ビジネスリーダーが95.4%、一般社員が88.7%と「使っている」と回答した人が多くを占めています。役職にかかわらず、Excelを業務で活用していることがわかります。
「Excelは何に使っている?」という質問では、ビジネスリーダーは、「データ分析」と回答した人が最も多く、69.2.%でした。次に多いのが「売り上げ・予算管理(51.3%)」で、「業務報告書の作成(45.4%)」の順になっています。一般社員は、ビジネスリーダーと同じく「データ分析」に使用するという人が53.7%で最も多いですが、次点は、「業務報告書の作成(44.1%)」「スケジュール管理(39.0%)」でした。
おなじExcelでも、ビジネスリーダーと一般社員では使い方が少し異なることがわかります。ビジネスリーダーはデータ分析や売り上げの管理など、より管理的な業務にExcelを使用していることがわかります。
Excelを使って「どんな分析をしている?」という質問の回答では、ビジネスリーダーは「売り上げ」と回答した人が最も多く、21.4%という結果でした。一方で、一般社員は「生産・開発」と回答した人が20%と最も多い結果になりました。ビジネスリーダーはトップの視点から会社全体を俯瞰的に把握するのにExcelを役立て、一般社員は自身の仕事に必要な分析にExcelを使用しているのかもしれません。
*Q3はQ2で「データ分析」と回答した人にその内容を聞いたフリーアンサーを編集部が独自に集計。
「Excelの役割は、今後どうなる?」という質問は、「もっと大切になる」「今のまま」を合わせると、ビジネスリーダーが93.7%、一般社員が89.9%でした。ビジネスリーダー、一般社員のどちらの目線からも、今後もExcelと仕事は切っても切れない関係のようです。
こちらは、「Excelに、こうなったらいいのに、こんな機能があったらいいのに」と思うことをフリーアンサーで回答いただいた設問。多かった回答のうち、上位3つをまとめました。ビジネスリーダーと一般社員に共通して、最も多かった回答は「AI」の機能でした。今も多くのビジネスパーソンに活用されているExcelにAI機能が実装されれば、作業中のタスクに必要なことを先んじて表示する、画像認識で自動的に表組データを作成できる、など業務をより効率化できることでしょう。
*四捨五入の関係で合計が100%にならない場合があります。
*調査&集計方法:2021年12月、PRESIDENT Online会員1860名から回答を得た。「経営者・役員」(311名)と、「一般社員」(587名)と比較
*構成:PRESIDENT編集部
『PRESIDENT』では、今後もこのような読者への独自調査を続け、ビジネスパーソンの本音をひもとく取り組みを続けてまいります。
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