ホソカワミクロンは大阪府枚方市に本社を置く、世界でも大手の粉体機器メーカーだ。100年以上にわたり培ってきた技術力を生かして、傘下のホソカワミクロン化粧品は、2006年から育毛剤「ナノインパクトシリーズ」を発売している。累計230万本(※1)を突破した同シリーズの最新作「薬用ナノインパクト8」は、これまでの研究の集大成だ。

※1 2006年5月~2022年5月 ナノインパクトシリーズ累計出荷本数 ホソカワミクロン化粧品(株)調べ

歴史ある独自の技術を生かした、育毛剤が誕生したわけ

ホソカワミクロンは、創業106年、粉体技術ひと筋の技術開発型企業であり、世界15カ国22社33拠点(2022年7月27日現在)で活動する東証プライム上場のグローバルリーディングカンパニーだ。

細川祐介
ほそかわ・ゆうすけ
ホソカワミクロン化粧品株式会社 代表取締役社長

粉体技術とは、個体を細かく砕き粒子化するだけでなく、多種の粒子を均一に混ぜたり、粒子の形状を球状に整えたり、異なる性質の粒子の性質を改変して、新たな特性を持つ複合粒子を作り出すなど、ミクロン(100万分の1メートル)からナノ(10億分の1メートル)まで、目に見えないサイズの「粉」を総合的にコントロールする技術だ。身近なところでは、小麦を粉にした「小麦粉」やコピー機の「トナー」のように、食品や医薬品をはじめ、電子部品、そしてスマートフォンや電気自動車でも使われるリチウムイオン電池といった先端技術に至るまで、目には見えないが、いまや私たちの暮らしに欠かせないほど、身の回りのあらゆるところで、粉体技術が活用されている。

育毛剤も独自の技術によるソリューションのひとつだと、ホソカワミクロン化粧品・代表取締役社長の細川祐介さんは語る。

「出発点は、先代会長の細川益男が将来を見据えた新規事業として始めたプロジェクトでした。粉体機械の装置メーカーとしての強みを生かし、その技術から生み出される粒子そのものに機能性を持たせ、これを切り口に様々な分野に応用しようとしたのです。これまで培ってきたナノテクノロジー(※2)技術を活用し、従来課題とされてきた“浸透力”に着目することで、画期的な育毛剤ができるのではないか。そう考えたことが、『薬用ナノインパクト』誕生のきっかけです」

※2 ナノテクノロジー=ナノ(10億分の1)メートル領域の物質を制御する技術

ナノサイズのカプセルを用いて、育毛成分を毛根まで浸透・持続

「薬用ナノインパクト」開発のコンセプトは「どんなに良い成分であっても、届かなければ意味がない」。開発者たちの意気込みが感じられる言葉だ。

大阪府枚方市にあるホソカワミクロン株式会社本社。東証プライム市場に上場している。

「当社はいかにして育毛成分を効率的に届けることができるか、つまり、届け方に着目しました。頭皮の毛穴には皮脂や汚れが詰まりやすく、この状態で育毛剤を塗っても、成分を奥まで浸透させることは難しいとされてきました。それを可能にするために開発したのが、ナノテクノロジーを応用して作り上げたカプセルです」

名称は「PLGA(※3)ナノカプセル」。毛穴の面積と比べると約200万分の1という微小なカプセルの中に、成分を包み込むことによって、安定したまま直接目的の場所(育毛成分を届けたい頭皮や毛穴、毛根)までしっかり浸透(※4)させることを可能にした。

「ナノカプセルが毛根まで浸透すると、体内の水分でゆっくりと分解します。それにより、成分を長時間にわたってゆっくり放出し続ける持続力も兼ね備えています。例えると、卵の殻がパカッと割れて成分が一気に飛び出すのではなく、飴玉が溶けるようにゆっくり時間をかけて一定量放出し続けるわけです」

頭皮や毛穴の奥深くまで育毛成分を届ける浸透力と、成分をゆっくり放出し続ける持続力が、ナノインパクトシリーズの最大の特徴だ。

※3 乳酸グリコール酸・共重合体〈保湿成分〉
※4 保湿成分の浸透は角質層まで

左:PLGAナノカプセルのイメージ。毛穴とPLGAカプセルの大きさを比較すると、200万(毛穴):1(PLGAカプセル)。右:電子顕微鏡で見た実際のPLGAナノカプセル

ヘアサイクルを整え、頭皮と毛髪の活性化を図る

細川社長は「育毛にせっかちな気持ちは禁物」と語る。

「『ローマは一日にして成らず』です。髪の毛は、生えて成長して抜けて、ちょっとお休みして、また生えてを繰り返す『ヘアサイクル』という数年スパンの周期によって成り立っています。そのため、やはり長期のケアを考えていただく必要があります」

男性型脱毛症は、このヘアサイクルの乱れが起こっているケースが多いといわれている。毛髪が十分に成長しないまま、細い毛の状態で抜けていき、薄毛の面積が徐々に広がってしまうのだ。

「『薬用ナノインパクト8』は、ヘアサイクルを整え、発毛促進することを目的とした商品です。成分を届けることが難しいとされる毛穴の奥に、PLGAナノカプセルを用いて有効成分を浸透させ、その働きで頭皮と毛髪の活性化を図り、発毛を促進していきます。絶えず一定量の成分を供給し続けることが大切です」

頭皮と毛髪の活性化を図ることは、薄毛に悩む人だけでなく、頭皮や毛根の“健康維持”としても有効だ。これにより、毛髪のボリュームを維持し続けることにつながっていく。

「薄毛にお悩みの方はもちろん、身だしなみに余念がないアクティブなビジネスパーソンにもお薦めしたいと考えています。育毛剤を使うことによって、ボリュームのある豊かな頭髪へ導きます。男性としてのバイタリティもよりアピールすることができ、自分に自信が持てるようになるでしょう。毎日の新しい習慣として、取り入れてみられてはいかがでしょうか」

私たちの想い、技術力を世に問いたい

「薬用ナノインパクト8」は、初代発売から約16年で8代目。業界では驚異的なハイペースでの開発・発展の背景には、ホソカワミクロンのプライドがあった。

「育毛の研究が進んできており、当社のナノテクノロジーも日々進化しています。『最新の理論や技術をいち早く鮮度が高い状態でお届けしたい』という私たちの想い、『私たちの技術力を世に問いたい』という使命感が原動力となり、早いサイクルでの商品開発を行っています」

「ナノインパクトシリーズ」についてのお客様の感想が一番うれしいと、細川社長は語る。

「これでダメなら、もう諦めようと思って使ったところ、一筋の光が見えたと。そんな場面で期待にお応えできたことが、非常にうれしいですね。変化というのは、やはり生きる喜びにつながっていきます。60代以上の方の反応も多く、還暦を超えてもまだ、“若い自分”を取り戻したいという希望は誰にもあると思いますし、そうした希望のお手伝いをさせていただいているということが、我々の何よりの喜びです」

目に見えないものをコントロールする、たしかな技術に裏打ちされた「薬用ナノインパクト8」。就寝前のナイトルーティンとして、頭皮に育毛成分を与え続けることで、明るい未来が見えてくる。

化粧品会社らしい洗練されたパッケージの「薬用ナノインパクト8」。