子ども名義の口座が「休眠口座」になることも

④長期間使用しないと休眠口座になる

子どもが生まれたときや入学・卒業のタイミングにもらったお祝いやお年玉などを、子ども名義の口座に貯蓄しておくケースがあります。

しかし、そうしたお祝いも子どもの成長とともに、徐々に少なくなることも珍しくありません。子ども名義の口座を長期間使わないで放置していると、子ども名義の口座が「休眠口座」になるリスクがあります。

休眠口座とは10年間なにも取引がない口座のこと。休眠口座の中のお金は、公益事業などに活用される可能性があります。仮に休眠口座になっても、窓口で手続きをすれば返金されますが、時間と手間がかかります。

お金教育のベストタイミングはいつか?

子ども名義の口座は0歳からでも作れます。マイナポイントを受け取るためにこれから作るという家庭も多いことでしょう。

とはいえ、早く作っても「お金教育」の観点からはあまり意味がありません。未就学児はもちろん、小学生になったばかりの時期だと、お小遣いとは違う大きな金額は「自分のお金」という感覚が薄くなる傾向にあるようです。

筆者の家庭では小学4年生で銀行口座を開設し、まずは金額が大きいお年玉などを貯金するために活用しました。ただ、お金教育に活かすには、少し時期が早かったかなとも思っています。

お金を管理する意識を早い段階から身につけるのもいいのですが、あまり早すぎても理解するのが難しい場合もあるでしょう。「子ども名義の口座」の管理は子どもが中学生になってから任せるのでも、決して遅くないと思います。

ただし、注意点でもお伝えした通り、子どもにあげるタイミングや口座残高によっては贈与税の課税対象になることもあります。子どもに知らせずに亡くなってしまうと相続税の対象になることも。

注意点を踏まえつつ、子ども名義の口座をお金教育に活かしてもらえればと思います。

頼藤 太希(よりふじ・たいき)
マネーコンサルタント

株式会社Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年にMoney&Youを創業し、現職へ。女性向けWebメディア『Mocha(モカ)』、YouTubeチャンネル『Money&YouTV』、Podcast『マネラジ。』、書籍、講演などを通して日本人のマネーリテラシー向上に注力している。『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)など書籍90冊、著書累計150万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。