妥協のない「ものづくり」だから印象に残る
「周年記念、勤続記念、卒業記念をはじめ、キャラクターやドラマのグッズ、メーカーやアパレルブランドとのダブルネーム、イベント向けの限定品など、年間で数多くの企業さまや学校法人さまとのコラボレーションを展開しています。単に既製品のパーツやカラーをカスタマイズするのではなく、クオーツ、メカニカル、ソーラーいずれかのムーブメントからお選びいただき、豊富な形状、素材がそろうダイヤル、針、バンドなどの各部品の組み合わせは10万通りを超えます。専任のウオッチデザイナーがご要望を丁寧にヒアリングして形にしていきますので、オリジナリティーにあふれた腕時計を実現できるのが大きな特徴です」
セイコーウオッチの「法人向けオリジナルウオッチ製造サービス」について教えてくれたのは、同社専門店営業部マネージャーの五十嵐絵美さん。2021年で創業140年を迎えたセイコーブランドに対する信頼感、技術力への期待は、近年、さらなる高まりが感じられるという。
「しっかりと時間をかけたものづくりを通じて、自社の価値やビジョンをより印象付けたいという傾向が強まっているのではないでしょうか。そうした時にセイコーの製品を選べば安心感がある、付加価値の創出につながるとおっしゃっていただけることも多く、嬉しいですね。腕時計は一日に何度もダイヤルを目にしますし、メンテナンスしながら使い続けることができますので、長期間、企業やブランドを身近に感じていただけるのではないかと思います。コロナ禍において式典、各種の集まりなどが中止を余儀なくされる中で、コミュニケーション強化の手段としてオリジナルウオッチをご活用いただく場面も目立ちました」(五十嵐さん)
【事例:SUBARU】毎年恒例の企画を待ちわびるコレクターも
数量限定のオリジナルウオッチのリリースが「毎年恒例」となっている例の一つが「SUBARU」とのコラボレーションだ。2013年に初めて登場して以降、発売を待ちわびるコレクターも多い。「クルマと親和性の高いスポーティーなイメージをベースとしつつ、いかに新しい要素を取り入れながらSUBARUさまらしさを表現するかを心がけています。クルマには男性的なイメージが強いと思いますが、奥さまや娘さんといったご家族への贈り物としても最適なレディースウオッチをご提案し、発売したこともあります。企業さまがその時期に打ち出したいと考えているメッセージを、腕時計にうまく反映して広く発信できるよう努めています」(五十嵐さん)
【事例:Kawasaki】細かな部分だからこそ品質を追求する
2020年11月に発売され、リピート生産を重ねて「定番」として支持されているのが「Kawasaki」のオリジナルウオッチだ。モーターサイクルに加えて、航空機や船舶などの事業を行う「川崎重工」としての認知度向上も図りたいとの思いから、ダイヤルにはある工夫が凝らされている。五十嵐さんによると、「6時位置に船、9時位置にバイク、12時位置に航空機のモチーフをあしらい、秒針の根本はエンジンの部品の一つであるクランクシャフトをかたどっています。カワサキファンの方にも納得していただけるよう、小さな部品だからこそ細かな点まで形状を追求しました。お客さまが難しいと思っていても、セイコーの技術なら実現できることは少なくありませんし、長年の経験を生かしたアドバイスが可能です。まずはご相談いただけたらと思っています」
もちろんコラボレーションの内容によって変わるが、平均して1~2ヶ月でヒアリングからデザイン決定まで進み、サンプル製作などを経て、9ヶ月ほどで完成、納品となる。
「時計好きの方、すべてを一任しますとおっしゃってくださる方など、本当にお客さまのニーズは多岐にわたります。腕時計に限らず、時計を収納するボックスの仕様などをトータルでご提案することもできますし、きめ細かなアフターサービスなども私たちの強みです。オリジナルウオッチは、いわゆる記念品やグッズの中でも、丹精込めて作られたものだと感じてもらえるのではないかと思っています。セイコーとのコラボレーションが、企業の価値を高め、ビジネスの後押しとなれれば幸いです」