各種士業が連携したワンストップサービスを展開するベストファームグループ。相続関連の相談についてもこれまでに1万件を超える実績を有し、法務、税務等の専門性に基づく支援が高い支持を得ている。そのベストファームグループが一般社団法人全国シルバーライフ保証協会を通じて提供するのが「オーカスタイル」というサービスだ。高齢者の多様な悩みに応えると注目を集めるこのサービスの内容とは──。代表を務める斉藤浩一氏に話を聞いた。

富裕層からの相談も決して少なくない

斉藤浩一(さいとう・ひろかず)
ベストファームグループ 代表
一般社団法人全国シルバーライフ保証協会
代表理事
福島県生まれ。1982年に司法書士試験に合格し事務所を開設した後、92年現・ベストファームを設立。2003年から展開する士業事務所の新業態「手続きコンビニ」は、業界初の試みとして注目を集めた。

──ベストファームグループの体制から教えてください。

【斉藤】司法書士や行政書士、税理士、土地家屋調査士などの士業法人が核となるグループで、各種士業業務および関連の業務を提供しています。グループとして活動することで、複数の士業にまたがる業務や手続きも一括して対応できる。そうすることで、利便性や効率性の高いサービスを実現したいというのが私たちの思いです。相続相談や高齢者支援にも力を注いでおり、そのなかで近年見逃せないものとなっている「身元保証」の問題にも取り組んでいます。

──どのような問題でしょうか。

【斉藤】通常、高齢者施設や病院は身元保証人の存在を入居、入院の条件にしています。それを頼める人がいないために、居所を確保できない。必要な介護や治療を受けられない──。いざ契約の段になって、そのことを知る高齢者がとても多いのです。そこで、全国シルバーライフ保証協会が法人として身元保証人となる。これが私たちの「オーカスタイル」です。

──やはり核家族化が進み、身寄りがなかったり、親族と疎遠になっている人が増えているのでしょうか。

【斉藤】まさにそうした状況があると思います。一方で、頼める人がいないわけではないが、「オーカスタイル」を利用するという方もおられます。身元保証人には緊急時の駆けつけや債務の連帯保証が求められるため、「親族に迷惑をかけたくない」「面倒なことは専門家に任せ、気楽に親族と付き合いたい」というわけです。また、特定の親戚に身元保証人をお願いして、後の遺産相続で揉めてほしくないという方もいらっしゃいます。その意味で、富裕層からのご相談も決して少なくありません。私たちのサービスを使って、最新の高齢者施設に入居されるケースも最近増えています。

──「オーカスタイル」には、身元保証以外のサポートもあるのでしょうか。

【斉藤】はい。人生を“謳歌”するライフスタイルを支える。これがサービス名の由来です。ご利用者に安心、納得の暮らしを送っていただけるよう、委任契約に基づく生活事務サポート、任意後見サポート、さらに亡くなった際のエンディングサポートなどを提供しています。例えば認知症を発症された場合も、任意後見人としてご本人の財産の保全や管理、必要な医療契約、介護契約などを行い、最善の環境を整えることができます。

──エンディングサポートではどのようなことを行うのですか。

【斉藤】居住先の退去精算やご親族への連絡、葬儀や納骨に関する事務、さらに各種行政手続きなど、さまざまなお手伝いをしています。シニアの皆さまにお話を聞くと、“自分が亡くなった後のこと”を心配されている方が思っていた以上にいらっしゃる。当初、付帯的なサービスと考えていたエンディングサポートは高い支持をいただいています。それは遺されたご家族にとっても同様で、「身内が亡くなり気持ちの整理がつかないときに煩雑な手続きを代行してもらい、とても助かった」という声を多くいただいています。

士業法人だからこそ提供できる安心感

──全国シルバーライフ保証協会は、士業法人によって設立されています。サービスの利用者にはどんなメリットがありますか。

【斉藤】遺言作成や後見制度、各種税務、相続など、専門的な知識を持つ個々の士業が連携した総合的なサービスを受けられるのがやはり大きなメリットだと思います。例えば財産の管理や相続について、私たちは将来を見すえた提案も行っています。「オーカスタイル」ではスタッフがご利用者を定期的に訪問するため、それぞれの財産状況や考えを把握したうえで、事前のシミュレーションを行うことが可能なのです。

また、士業法人は資格者が無限連帯責任を負う法人であるため、業務を適正に、慎重に行うことを重視します。結果的にそれが、サービス利用者の安心感につながると考えています。

──そのほか、「オーカスタイル」の特徴があればお願いします。

【斉藤】お預かりした預託金は信託会社に信託し、安全性を担保しています。実は以前、身元保証サービスを提供する別の会社が預託金を運営費に流用し、破産するという事件がありました。私たちは、万一にもそうした事態が起こらない仕組みをつくっています。

また、寄付金を受け取らないことも全国シルバーライフ保証協会の一つの特徴。契約時の料金と規定のサービス料によってのみ運営を行うことで、事業の継続性を高めています。

──最後に「オーカスタイル」に関心を持つ人にメッセージをお願いします。

【斉藤】繰り返しになりますが、高齢者の方々にいかに人生を謳歌していただくか。これを追求して生み出したのが私たちのサービスです。おかげさまで利用者の皆さまからは、「安心して任せられる」点をご評価いただいています。事業の安全性、継続性に徹底的にこだわり、責任を持ってサービスをお届けしますので、面倒や心配事は専門家に任せて自分らしい人生を送りたい。そうお考えの方は、ぜひ気軽にご相談いただければと思います。

●利用者からの声

飯田榮子さん

妹の夫が亡くなったとき、相続や事務手続きを助けてもらったのをきっかけに「オーカスタイル」を知り、自分も契約しました。日常の事務手続きから、死後のこと、転居、入院、さらには自宅の売却まで、すべてお願いできるという点が頼もしいです。定期訪問があるため、今後の暮らし方の希望をお話ししています。施設への入居が必要になったとき、私に合う施設を紹介してもらえるよう、担当者へ私の性格や考えを伝えることも大切にしています。