結婚=幸せは成り立つのか
「結婚によって女性は幸せになれるのか」
この問いはさまざまな映画や小説のテーマになっています。そして、多くの場合、「結婚=幸せ」という図式が成り立っているのではないでしょうか。
わかりやすい具体例として挙げられるは、プリンセスが出てくる物語です。
結婚した後、「末永く幸せに暮らしました」というフレーズで締めくくられ、「結婚=幸せ」という図式が成立することを暗に示しています。
実はこの点はあながち間違いではありません。学術的な研究でも裏付けが取れています。
さまざまな国のデータを用いた研究において、「結婚している女性の方が未婚女性よりも幸福度が高い」ことが示されています(※1)。
実際に、日本の女性を対象にした分析結果を見ると、既婚女性の幸福度の平均値は、未婚女性や離婚した女性よりも高くなっています(※2)(図表1)。
[1]筒井義郎(2018)結婚と幸福:サーベイ、Discussion Papers In Economics And Business, Discussion Paper 18-01.
[2]図表1・2での離婚した女性とは、過去1年間に離婚を経験した女性のことを意味している。
既婚女性にはグラデーションがある
図表1の結果は、「結婚した女性が幸せになっている」ことを示していますが、冷静になって考えると「これって本当?」と疑問がわいてきます。世の中を見渡すと、夫婦関係に不満を抱え、幸せではない結婚生活を送る女性の姿を見かけることが少なからずあるからです。
結婚生活と一口に言っても、夫婦関係が良い場合もあれば、悪い場合もあります。夫婦仲が良ければ結婚生活は楽しく、幸せなものになるでしょう。
しかし、もし夫婦仲が悪ければ、結婚生活はつらく、幸せとはかけ離れたものになる恐れがあります。夫婦とは共に生きていくことを誓い合った仲であり、簡単に別れることができないためです。
このように、結婚生活が幸せなものになるかどうかは、「夫婦関係の良し悪し」によって大きな影響を受ける可能性があります。