2021年3月22日に開催されたPRESIDENT Online主催のオンラインセミナー「進化するBtoB営業‐DXの波に乗り、飛躍するために‐」に、ZVC Japan(Zoom Video Communicationsの日本法人、以下Zoom)でカントリーゼネラルマネージャーを務める佐賀文宣氏が登壇。他のウェブ会議サービスとの違いやZoomの強みの秘密、今後の戦略などについて熱く語った。その概要をここにレポートする。

常に全参加者の顔を見ながら円滑に会話できるのはZoomだけ

佐賀文宣(さが・ふみのり)
ZVC Japan株式会社
カントリーゼネラルマネージャー
1992年に北海道大学工学部修士課程修了後、日本アイ・ビー・エム入社。ThinkPadの開発や、同社PC部門の日本及びアジア太平洋地域担当プロダクトマーケティングやパートナーセールスに携わる。シスコシステムズ合同会社に移籍してWebexのパートナー開拓に従事。ヴイエムウェアにてパートナービジネスの統括を担った後、2019年2月から現職。日本国内のZoom展開を指揮する。

セミナー冒頭で佐賀氏は、Zoom創業者のエリック・ユアン氏がウェブ会議システムの先駆けであるWebexの開発者であったことに言及。そして、シスコシステムズに買収されて同社のプロダクツとなった後も技術責任者を務めたものの、「最新のテクノロジーで本当にお客様に満足してもらえるサービスを創りたい」との思いからZoomを興し、ゼロベースからZoomを完成させたと説明した。

そして、競合するソリューションとの差別化ポイントでもあるZoomの大きな特徴として、佐賀氏は「つながりやすくて切れにくいこと」を挙げた。競合サービスの場合は、マニュアルなどに「最大○○画面を同時表示可能」と記していてもあくまでスペック上のもので、現実にはすべての参加者の顔が常に見られる状態でコミュニケーションを交わそうとすると、途中で接続が切れてしまうようなトラブルが発生しがちだ。

Zoomでは当たり前のように全参加者の顔を表示したままのコミュニケーションが可能だが、インターネット上ではデータ送受信に遅延(タイムラグ)が生じるのを前提にサービスを構築していることがその背景にあるという。映像の受信が遅れた場合には、音声をそれに合わせて意図的に遅らせるなど、できるだけ自然に会話が続けられるような工夫が施されているのだ。

企業向けミーティングサービスの映像品質を比較調査した結果、インターネット上の通信で不可避のパケットロス(送受信データの一部が消失するエラー)発生にもZoomは強いと佐賀氏は指摘。競合サービスでは10%のパケットロスが発生するとユーザーが違和感を覚えるが、Zoomは50%近くに達しても、最も快適な状態で会議を続けられるという。

リアルの会議やセミナーでは困難なこともオンラインなら容易に!

佐賀氏は新型コロナウイルスのパンデミックに世界が翻弄された2020年を振り返り、当初はやむを得ずウェブ会議へのシフトを進めていったものの、やがて多くの人たちが「むしろオンラインのほうがいい」と感じ始めたと指摘。その理由の一つとして、Zoom Meetingsでは一度に1000人まで、さらにオプションサービスのZoom Video Webinar(ウェブセミナー)では一度に5万人までが参加可能というスケーラビリティ(規模感)を挙げた。リアルのセミナーでこの規模の集客が可能な会場は限られているが、Zoomなら難なく対応できるのだ。

また、双方向性もオンラインの強みの一つで、投票機能を用いれば登壇者と視聴者が双方向にコミュニケーションを交わしながら講義を進められると佐賀氏。さらに、リアルの研究会などでは講義の途中で参加者がいくつかの小グループに分かれて協議し、それぞれの結論を発表し合うような取り組みが行われるが、Zoomのブレークアウトルームという機能を用いれば効率が高まるという。リアルの場合はグループごとに分かれるために机のレイアウトを変更するだけでも相応の時間を有したが、Zoomなら瞬時に個別の話し合いに移行できるからだ。

佐賀氏はこうしたオンライン特有の利点について触れたうえで、すでにZoomがスタンダードなコミュニケーションの手段として定着してきたとの見解を示した。一方で、コロナ禍においても重要な顧客とは直接面談し、熱意をダイレクトに伝えて提案を行いたいという思いがビジネスパーソンの間でいっそう募った1年間だったと総括する。

今後はオンラインでコミュニケーションの効率をさらに高め、それに伴って余裕が生じた時間を重要顧客との直接的な折衝に活用するという新たなフェイズに入っていくと佐賀氏は予想する。

また、リモートワークへのシフトについても、依然として一部のオフィスワーカーで実現しているにすぎず、その対象がさらに広がっていくことにも貢献したいと佐賀氏。一方で、現場で働くことが必須とされるエッセンシャルワーカーが存在し続けるのも確かで、Zoomの使命は両者の架け橋となることだと熱く語った。

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