ひとたび心地よさを味わってしまったら、以前のものにはもう戻れない。そんな経験、誰しも身に覚えがあるだろう。ビジネスウエアもまた然り。軽くて動きやすくて快適な着心地を覚えてしまったら、それまでのものにはもはや手が伸びない。ゴアテックス(GORE-TEX)ビジネスシューズとはまさにその感覚だ。一度履いたら、まず病みつきになる。

ゴアテックス ビジネスシューズは「全天候型」

ゴアテックス ファブリクスとは、防水性、透湿性、そして防風性という3つの機能に長けた素材のことである。もとはアウトドア向けのウエアで使用され始め、近年はコートなどのビジネス向けアイテムでも使われるようになっている。中でもその機能性の高さが心から実感できるのが、レザーシューズである。

アウトドア向けに多用されてきた素材であることから、ゴアテックス シューズというと防水用や、雨天時に効果を発揮するものという印象を持つかもしれない。だが、その実、どんな天候でもメリットが感じられる「全天候型」といっていい。まずはゴアテックス レザーシューズがビジネスに向く6つの理由をお届けしよう。

突然の雨や雪でも快適さをキープ

ゴアテックス プロダクトの最大のメリットはやはり防水性にある。出勤中や外回りの途中で雨に降られた、ゲリラ豪雨に遭遇した、雪解け道で足元がびしょ濡れ……など、雨や雪のトラブルは日々のビジネスの付き物。そんな場合も防水性に優れたゴアテックスのシューズであれば靴の中が濡れることなく快適に保てる。冬の雪のシーズンはもちろん、これから訪れる梅雨やゲリラ豪雨の季節には間違いなく重宝するはずだ。

ソックス型に仕立てたゴアテックス ファブリクスをシューズ内側にセットする仕組み。足首以下全体を覆うように設計されているため、アッパーからも浸水しない
夏場の外回りでも蒸れにくい

レザーシューズの弱点の一つが、足が蒸れやすいことだ。その点、ゴアテックス シューズは透湿性に優れ、さらにアッパーのレザーにも透湿性の高い素材を採用しているため、湿気が靴の内にこもりにくく蒸れにくい。実際に履いてみると、一般的なレザーシューズに比べて足が熱を帯びず、熱を外に放出してくれるような感覚だ。足が蒸れやすい夏場はもちろん、一日中履いていることが多い人や足汗をかきやすい人はぜひ一度試してほしい。

アッパーには水を吸い上げにくく透湿性のあるレザーを選定。実際に水に浸してどれくらい吸収するかをテストしている
靴を脱いだ際のにおいも安心

足が蒸れにくいため、嫌なにおいのもととなる雑菌が発生しにくいのもゴアテックス シューズの優れた点だ。なかなかないことだが、それゆえに突然やってくるとピンチに陥るのが、仕事で靴を脱ぐ瞬間。顧客の自宅に訪問する、会食で座敷に上がる、などというシーンでもゴアテックス シューズならにおいの不安は少ない。

出張時の荷物が減る

数日間の出張の場合、多くのビジネスパーソンはスーツケースに替えの靴を詰める。一般的にレザーシューズは一度履いたら2日ほど置いて乾燥させたほうが靴が長持ちし、衛生的でもあるからだ。だが、ゴアテックス シューズは湿りにくく乾燥が速いため、数日であれば連続して履き続けても問題はない。替えの靴がいらない分、出張時の荷物が減り、荷造りも移動もスムーズになる。

特別な手入れは不要

これまで見てきたような高機能でありながら、特別な手入れが不要である点もうれしいメリットだ。靴を長く美しく保つために、2週間から1カ月に一度を目安に、ゴミやホコリを落とす、クリームで保湿する、磨きをかける、撥水スプレーをかける、通気性のいい場所で保管するという一般的な手入れを行えば良い。

ケアを行えば機能性が落ちない

アウトドア向けのゴアテックス プロダクトを着用したことがある人ならおわかりだろうが、ゴアテックス シューズもきちんと手入れさえ行えば、その機能性を維持したまま長年使用することができる。ゴアテックス ファブリクスに穴や破れが起きると防水性が損なわれてしまうので、履いたあとには靴の内部に入った小石などを取り除くことも長く機能を保つためのコツ。靴の表面も汚れを落とし、ケアすることで、透湿性を保つことができる。

こうした高い機能性は、ゴア社が独自で行っている厳しい品質テストによって支えられている。現在、ゴアテックス素材を使った靴がさまざまなメーカーから販売されているが、どのメーカーがつくった靴でも最終サンプルをゴア社がテストしている。メーカーによって品質のばらつきがない信頼性もまたゴアテックス製品の魅力だといえる。ゴアテックス レザーシューズをもっと深く知りたければ以下の動画をご参照のこと。

趣味嗜好や仕事のスタイルで選ぶ

ゴアテックス ビジネスシューズをつくるメーカーは年々増え、現在はシューズのバリエーションも幅広い。数量はもちろん、デザイン性が高まっているのも近年の傾向で、美しく洗練されたシューズが充実している。これまでは主に機能性が脚光を浴びてきたが、これからは自分の趣味嗜好や仕事のスタイルに合わせて選べる、そんな時代になってきたのだ。最後にその一部をセレクトして紹介しよう。

ビジネスの定番ならストレートチップ
アシックスランウォーク「ランウォーク メンズ 3E G-TX」 3万9600円(税込)<アシックスジャパン株式会社 お客様相談室 0120-068-806>

まずはオン・ビジネス定番の一足であるストレートチップを。スポーツ用品で有名なアシックスの「ランウォーク メンズ 3E G-TX」は、ソールのかかと部に衝撃を緩衝する機能「GEL」を搭載。ゴアテックス プロダクトの機能性に加え、歩行時の快適性も追求した一足だ。クラシカルなデザインをベースにしたシルエットも美しい。

優美なプレーントゥでドレス感をアップ
リーガル「プレーントゥ(GORE-TEX フットウェア) 34HR BB」 2万4200円(税込)<リーガルコーポレーション お客様相談窓口 047-304-7261>

レセプションやイベントなど、ややドレス感を出したいシーンにお薦めなのが、リーガルのプレーントゥ。手間のかかるシャドウフィニッシュで仕上げられたアッパーは、ブラウンカラーの濃淡が美しく高級感が漂う。ゴアテックス ビジネスシューズでは日本で最も人気のシリーズの一つだというが、それも納得のエレガントな仕上がりだ。

オフのカジュアルにも合うUチップ
マドラスウォーク「ゴアテックス フットウェア 外羽根Uチップモカビジネスシューズ MW5821」 2万4200円(税込)<マドラス お客様相談窓口 0120-30-4192>

テレワークが増えたことからオン・オフ兼用できる革靴へのニーズが高まっている。そこでいまお薦めなのがUチップ。写真のマドラスウォークのUチップは独自開発のカップインソールを採用し、クッション性も向上させた一足。オフのカジュアルな着こなしには幅広く対応するほか、オン・タイムならジャケットなど軽やかな装いと相性がいい。

エレガントなスエード靴にも快適さを
マドラス「ゴアテックス フットウェア 内羽根ストレートチップ M5001G」 3万3000円(税込)<マドラス お客様相談窓口 0120-30-4192>

上質感が人気のスエード素材でもゴアテックス素材を使用した革靴が登場している。写真のマドラスのストレートチップは、特殊なソールを採用して軽量化を図り、さらに踏付部には防臭・抗菌・消臭効果のある素材を使用して衛生面も向上させた。スエードならではの上質なおしゃれ感と機能性を両立した一足になっている。

 
(構成・文:デュウ 撮影:小林久井)