成長領域とされるクラウド型の会計・財務ソリューションを提供するグローバル企業キリバ。その日本法人キリバ・ジャパンが、昨年オフィスを移転した。移転先は、三井不動産のサービスオフィス「ワークスタイリングFLEX東京ミッドタウン」(六本木)だ。同社の代表取締役社長、小松新太郎氏にオフィス戦略を聞いた。
ワークスタイリングFLEX 執務スペース

■キリバの展開する会計・財務領域のソリューションについて、日本市場の可能性をどう見ていますか。

【小松】日本におけるグローバルな会計・財務領域のソリューションの浸透はこれからです。ニーズを深耕すれば、日本はキリバの売上高構成比の10%を占めるまでになるでしょう。キリバはアジアで唯一日本を重点地域に設定しており、キリバ・ジャパンでは今年の売上目標として前年比184%増を掲げています。これは、達成困難な数字ではないと思っています。今年末には従業員数を現在の32人から46人と約1.5倍の増員を予定しており、それに伴いオフィスの拡大も計画しています。

小松 新太郎(こまつ・しんたろう)
キリバ・ジャパン株式会社
代表取締役社長

キリバコーポレーション(本社:米国)は世界で2000社以上の企業で採用されているクラウド型財務管理ソリューションの国際的なベンダー。日本法人は2013年から業務開始。

■ワークスタイリングFLEXにオフィスを移転したのは、事業拡大を見越してのことでしょうか。

【小松】もちろんです。優秀な人材の確保、そして彼らが働く拠点づくりは、成長戦略を実行に移すうえで重要な経営課題です。とはいえ、オフィス需要が高まる中、良質な環境を確保するのはそう簡単ではありません。ワークスタイリングFLEXは都心の駅直結という好立地の高機能ビルでありながら、短期間・数人規模からでも入居可能。将来的には、成長戦略に合わせた拡大にもフレキシブルに対応できます。契約すれば速やかに業務を始められるのも魅力でしたね。一般的なオフィスビルでは内装工事や通信設備の整備などに半年はかかってしまいます。柔軟さとスピード感が、事業拡大を目指す当社にとって重要なポイントでした。

■ワークスタイリングFLEX、移転の決め手になった点は何でしょう。

【小松】外資系企業の運営するレンタルオフィスなどと複数、比較検討しましたが、空間の上質さという面でワークスタイリングFLEXが秀でていました。私たちキリバ・ジャパンのお客様は、企業の財務担当者が中心。オフィス空間も当然、その方々が安心できるだけの落ち着きが必要です。ただ、上質さだけでなく異業種の方たちの刺激を受けられるオープンイノベーションの空気感もほしい。その点、ここはシェアオフィスも兼ね備えており、世代や国籍の異なる多様な人が交流する風通しの良さを感じられます。上質さと開放感。このバランスの良さが魅力でした。

セキュリティについてもオフィスの中ではさまざまな配慮がなされているうえに、通信環境はキリバの独自セキュリティ規格をクリア。安心してビジネスができる環境が整っていました。

オープンスペースでは商談や小規模な打ち合わせなども可能。
ハイグレードな会議室を数多く備える。
出先のワークスタイリングSHAREの拠点も利用可能。

■実際にオフィスを移転した感想をお聞かせください。

【小松】執務空間だけでなく、フレキシブルに使える共用部を活用して「働く内容に応じて場所を変えられること」が、想像以上にいい効果を与えています。自席があっても、集中して作業に没頭したいときは共用部の個室スペースを利用したり、静かな場所で電話したいときは電話ブースを使ったり……。会議室が多くフリースペースもあるから、少人数でミーティングをしたいときも、会議室予約などに悩まずパッと集まれます。社内のコミュニケーションが非常にスムーズになったと感じています。採用の候補者が来たときも、オフィスに好感を持ってくれたのが表情でわかります。働いている環境を誇れることは、やはり嬉しいものです。

■ワークスタイリングFLEXはどのような活用が考えられるでしょう。

【小松】事業拡大を考えている成長企業の拠点としてはもちろん、プロジェクトチームが活動する場にも使えるし、働き方改革に対応し、リモートで働くための場所にもなり得るでしょう。オフィスを単なる空間から、多様な働き方を支えるツールへと転換したのが、ワークスタイリングFLEXだと感じています。

会計・財務領域のソリューションが必要なお客様は全国にいらっしゃいます。その方々に私たちの価値を届けるには、足場が必要。大阪や名古屋など全国のワークスタイリングSHAREの拠点を活用し、お客様のすぐそばに行ける体制を整えていきます。これもまた、私たちの事業にとっての強みになるはずです。

オフィスは、さまざまな働き方や企業の戦略に柔軟に合わせていく時代。三井不動産の「ワークスタイリングFLEX」はオフィス空間の進化で時代をリードしていく。現在は東京ミッドタウン日比谷、八重洲など4拠点を稼働。今秋には汐留にFLEX併設の大型拠点がオープンする予定だ。