新たな街並み、風景が生まれ、多様な再開発プロジェクトも進行中。そんな渋谷が、これまでの魅力に磨きをかけ、新たな注目を集めている。渋谷のメインストリートから路地裏まで知り尽くした、シブヤ経済新聞の西樹編集長に渋谷の「これまで」と「これから」を聞き、この街に人が集う理由を探った。

混沌、多様性の中でのコラボレーションが変化の原動力

――西さんの活動拠点は、大学時代から通算35年余り渋谷ですね。街の変化については、どのように実感されていますか。

【西】まず渋谷が若者だけの街ではなくなった。これは、おそらくSNSの影響も大きいと思います。かつての若者たちは、はっきりとした目的がなくても「とりあえず渋谷に集まる」という感じでした。そこに、情報があり、仲間がいたからです。でも、いまはどこにいてもSNSでつながっていられますもんね。

西 樹(にし・たてき)
シブヤ経済新聞 編集長
株式会社花形商品研究所 代表取締役

青山学院大学経済学部卒業後、3年間の大手PR会社勤務を経て1988年、花形商品研究所を設立。企業・商品・サービスのコミュニケーション戦略の立案・代行に携わるなか、2000年4月、シブヤ経済新聞を開設。「街の記録係」を自認する。

そのうえ大規模なオフィスビルが建ち、通ってくる大人が増えました。かつて渋谷には、大人のための「余白」も少なかった。例えば打ち合せする、外でちょっとPC作業する、一人で考え事する、おもてなしする……そういった場所です。しかしオフィスの増加につれて大人のニーズを満たす「余白」も増え、着実に大人の街へと変貌していますね。

――各所で進む再開発が渋谷の変化を後押ししているわけですね。

【西】私たちはシブヤ経済新聞を2000年に開設していますが、そのころから渋谷はハードの変化が多くのメディアで取り上げられてきました。一方で私は、ソフトの変化にも着目すべきだと思うんです。新しいハードにさまざまなプレーヤーが入りますよね。ベンチャー企業から大企業、そして店舗など。それによって、いろんな個人が集まることにもなる。

先ほどの「大人の街」の“大人”は、単に年齢のことではなく、「一定の感性を持ち合わせた人」と解釈する声もあるんです。そういう人たちの多くは、基本的にコミュニケーション志向。結果として、いま渋谷ではいろんな個人がいろんな形で紐づいている。たとえ属する組織は違っても、コラボレーションが起こり、新しいモノ・コトが誕生している。実際、コワーキングスペースもかなりの数があります。元来「隔て」がないカジュアルな土壌だったことも、人と人のつながりやすさに一役買っているんだと思います。

広域渋谷圏のニュースを発信するインターネットメディア「シブヤ経済新聞」。「食べる」「見る・遊ぶ」「買う」「暮らす・働く」「学ぶ・知る」といった視点から、日々の街の変化やトピックを伝えている。

――さまざまなものが交錯することで進化、発展している。それが渋谷ですね。

【西】はい。駅前のスクランブル交差点がシンボリックですが、渋谷の混沌は私が学生だった1980年代から不変の特徴です。多様性ともいえますね。多様だからこそ生まれる新しいアイデアや知恵が、渋谷のおもしろさにつながるわけです。

今後、さらにオフィススペースが拡大する中で、これまで渋谷にはなかった文化や考え方を持つ企業の進出が加速するでしょう。プレーヤーが増えれば、コラボレーションの組み合わせも大きく増加することになる。そうすれば、渋谷からしか生まれ得ないものがまた次々と誕生するのではないかと期待しています。

渋谷区の人口は22万人、対して昼間人口は50万人超。区民でなくても、昼間は渋谷にいる「渋谷民」の立場で渋谷の動きを“自分事”としてとらえている方々はたくさんいます。個人が紐づいてコラボするといいましたが、本業の利益にかかわる活動に限らず、NPOなどのコミュニティも活発ですよ。区とのコラボも多く見られます。

――今後の渋谷については、駅周辺の再開発によって人の流れも変わりそうですね。

【西】そうですね。インバウンドビジネスにも影響を与えるでしょう。実はこれまで、渋谷にはあまり観光スポットと呼べるところがありませんでした。スクランブル交差点やハチ公を見たら、別の街に移動してしまうという人が多かった。そうした中、「渋谷スクランブルスクエア」は新たな観光資源として期待されます。屋上には屋外展望施設もできるということで、ここから街を眺めて観光をスタートさせる。そんな起点にもなるでしょう。

先ほど大人のための「余白」というお話をしましたが、再開発によって、例えば接待や商談で使えるお店ができたり、これまで不足していた要素が満たされることで、働く人、暮らす人、観光で訪れる人、それぞれにとって快適性や利便性がいっそう高まっていくだろうと思います。

住まう人たちにとっても毎日がワクワクする街

――さまざまな顔を持つ渋谷ですが、「住む街」としてはいかがでしょうか?

【西】渋谷の混沌や賑わいは、地形的には谷底になっている渋谷駅周辺が主に引き受けていて、高いほうへ上ると趣が変わります。駅前からの坂道それぞれの途中にもまた味わいがありますし、代々木公園や明治神宮の大きな緑化空間もあるので、住民の方々も散歩のルートや立ち寄るスポットには事欠かないと思います。

また、週末になるとイベントもいろいろ楽しめる。当日に思い立っても、すぐに足を運べるのがいいですね。例えば、区が毎年6月に実施する「おとなりサンデー」などもおもしろい取り組みです。渋谷に住む人はもちろん、働く人、学ぶ人たちが、自分たちで地域交流や地域活動の場を企画して、楽しいお祭りにしようというもので、普段は話す機会の少ない近隣の人たちと気軽に知り合えます。

そのほかにも住民参加型の地域コミュニティもたくさんあり、これが街を元気にするエネルギーになっています。

――最後にあらためて、渋谷を楽しんだり、心地よく暮らしたりするコツについて一言お願いします。

【西】駅周辺の中心部も、もちろん活気があっていいですが、坂の途中や上った周辺部にもおもしろいものがたくさんあります。ぜひその辺りを味わってもらいたいですね。かつて、すり鉢状で入り組んだ坂道がある地形は開発にとってデメリットだと言われました。しかし今、坂を上って一つ角を曲がると風景がガラッと変わる。そのことが渋谷の魅力になっています。

また、渋谷から表参道、恵比寿、原宿、代官山といった一駅の範囲を歩いてみれば、何かしらおもしろいもの、魅力的なスポットを見つけることができます。広域渋谷圏と呼んだりしますが、渋谷からどの方向に向かっても楽しめる。こうしたエリアは、ほかにはなかなかないと思います。一方で、コミュニティバスも縦横に走っていますから、目的に応じて便利に使えばいい。移動で困るということはありません。

いずれにしても渋谷にかかわるときは、セレンディピティ、偶然の出会いがキーワードです。私自身もそれによって、考えの幅が広がったり、固定観念から抜け出せたりということが何度もありました。ぜひ、皆さんにも未知のモノやコトとの出会いを通じて、新たな発見をしてほしいと思います。

渋谷における「動」と「静」の結節点に新たなタワーレジデンスが誕生

公園通りの坂の上(※1)に、渋谷区役所建て替えプロジェクトの一環として、総戸数505戸、地上39階建のタワーレジデンスが計画されている。「PARK COURT SHIBUYA THE TOWER」だ。渋谷駅にも、代々木公園と明治神宮(※2)の広大な緑や高級邸宅街にも近い「動」と「静」の結節点。官民一体開発だからこそ手に入る環境だ。エントランスを入った途端、渋谷の多様性、個性を凝縮したような共用空間に迎えられることも大きな特色となる。

「PARK COURT SHIBUYA THE TOWER」の外観完成予想CG。デザインは、世界を舞台に活躍するホシノアーキテクツ代表・星野裕明氏が担当した。すぐそばには、明治神宮の豊かな森が広がる。

東京の進化を象徴するビッグターミナル・渋谷の頂点(※3)ともいえる立地で、刺激的な暮らしが実現するレジデンス「PARK COURT SHIBUYA THE TOWER」。その誕生は、渋谷の多様性を一段と豊かにすることだろう。

※渋谷区役所建替プロジェクト住宅棟計画であるパークコート渋谷ザタワーは、定期借地権マンションとなります。
※掲載の完成予想CGは計画段階の図面を基に描き起こしたもので、形状・色等は実際とは異なります。外観形状の細部・設備機器等につきましては表現しておりません。
※外観完成予想CGの眺望写真は現地敷地内の高さ約94m(29階相当)地点から北方向を撮影(2017年9月)した眺望写真を合成したもので、実際の住戸からの眺望とは異なります。
※掲載されている写真は、モデルルームPH-A TYPE〈MENU PLAN〉を撮影したもので、実際とは異なる場合がございます。一部オプション(有償)が含まれており、カラーセレクトにより仕様が異なります。メニュープラン・無償セレクトには申込期限がございます。家具・調度品等は販売価格に含まれておりませ
ん。火災感知機は表現しておりませんので、実際の取り付け位置については図面でご確認ください。
※眺望(2018年7月撮影)は、現地高さ約130m(39階相当)より撮影した写真を合成したもので、実際の住戸の眺望とは異なります。
※眺望・景観は、各階・各住戸により異なり、今後周辺環境の変化に伴い将来にわたって保証されるものではありません。また、一部CG処理を施しております。

(※1)パークコート渋谷ザタワーは再開発が進む都内有数のターミナル駅「渋谷」から、代々木公園・明治神宮へ向かう公園通りを上った標高32.5mの丘の上に誕生します。
(※2)代々木公園(現地より約160m)、明治神宮(現地より約860m)
(※3)本プロジェクトは東京都内で最上階および屋上に専用使用部分がある新築分譲マンションです。1995年以降の最上階および屋上に専用使用部分がある分譲タワーマンションの中で東京都内で一番高い(39階建)分譲タワーマンションであることを表しております。(対象期間1995年~2017年12月まで:MRC調べ)