不動産投資において将来のキャッシュフローの予測は、基本であり、同時に成否の鍵を握る重要なポイントだ。しかし、入居率や家賃、修繕費をはじめ、さまざまな変動要因が複雑に関係し、個人で作成するのは容易ではない。
そうした中、オリックス銀行が業界で初めてAIを活用した個人向け不動産投資キャッシュフローシミュレーターの提供を開始し、注目を集めている。
「現在、漠然とした不安から不動産投資市場が萎縮しているように感じます。しかし、リスクを正しく見極められれば取るべき対策が見えてくる。そこで、利便性、そして透明性の高いツールを提供したいと考えました」
とオリックス銀行の真保雅人氏は言う。もともと同社は、不動産投資に強い銀行として知られている。1兆6000億円を超える貸出金残高のうち約8割が個人向け不動産投資ローンで、その与信能力や情報収集力には一日の長がある。実際、個人向け不動産投資ローンの市場に逆風が吹く今も、これまでどおりの融資を継続中だ。
借入条件を入力すればすぐにキャッシュフローが
会員登録することで無料で使える今回の「キャッシュフローシミュレーター」。その利用方法は簡単だ。会員登録後に行うのは自身が検討している物件情報(建物種別や所在地など)の登録だ。そして、借入条件(借入金額・金利・返済期間)を入力すると、ワンクリックで最長50年のキャッシュフローが試算される。
「背景には5800万件超の物件データがあります。これをAIで解析した情報をもとに試算を行うのです。一般的なシミュレーションサービスでは、賃料や空室率、修繕費などに一定の数字が利用されることも多いですが、今回の仕組みでは個別に想定値を算出しています」
頭金など借入条件を変えれば、瞬時にキャッシュフローに反映される。また売却を想定した試算も可能で、例えば「20年後に5000万円」で売却した場合の収支もすぐに知ることができる。
「さらに今回のキャッシュフローシミュレーターには、当社と取り引きのある不動産会社の広告物件も掲載されます。興味のある物件のキャッシュフローをすぐ確認できますし、自身の登録物件と比較することも可能。多様な観点から、納得いくまで検討を重ねていただけます」
そのほか、膨大な物件データから割り出した各エリアの賃料相場や築年数分布に、自身の登録物件を位置づけることもできる。個人によるデータ収集でここまで行うのは難しいだろう。
「繰り返しになりますが、不動産投資に強みを持つ銀行として、お客さまに有用な情報を提供したいというのが私たちの思いです。ローン返済のリスクをできる限り“見える化”することによって、不安の解消につながるでしょう。ぜひ、オリックス銀行のキャッシュフローシミュレーターを不動産リテラシーを向上させるツールとしてご活用いただきたいと思います」
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オリックス銀行は、GINZA SIX 8階に「ORIX BANK GINZA PLAZA」を開設。不動産ローンに関するものを中心に、各種セミナーを随時開催している。
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