「当社は不動産業者ではなく、あくまで資産運用のコンサルティング会社。一棟のアパート・マンションを主なツールにして、お客様の多様な資産運用ニーズをトータルでサポートしています」。そう語るのは、関西圏、特に京阪神地域の収益物件を中心に扱う大和財託の藤原正明社長だ。独自性の高い事業で成長を重ね、株式公開も視野に入れる同社が顧客に支持されている理由はどこにあるのか──。

新築物件と中古物件を組み合わせた提案も

それぞれに特徴を持つ新築と中古を組み合わせた不動産ポートフォリオを提案できるのが大和財託の強み。来期以降、木造に加えRC造の新築マンションの建設も予定している。

人口減少の時代に入った日本。しかし、それを直ちに賃貸経営のリスクと考えるのは短絡的だろう。今後も賃貸住宅に住む人は必ず存在するし、若い世代の持ち家率は低下傾向だ。質の高い物件を確かな需要が見込める場所に保有できれば、賃貸経営は十分成立する。要は、賢い選択ができるかどうかである。

「そう考えたとき、私たちの主な事業エリアである京阪神地域は非常に有望」と藤原社長は言う。

「全国的にコンパクトシティ化が進む中、大阪などは西日本エリアからの人口流入が続いています。関西圏全体で見ても、インバウンド需要による景気の下支えや統合型リゾートの誘致など、前向きな話題が多い。一方で物件の利回りは首都圏に比べ高いため、キャッシュフローを確保して、投資直後から着実に資産を積み上げていける可能性が高いのです」

大和財託の顧客には関東在住の人も少なくない。すでに東京やその近隣で賃貸経営を行っている人が、“分散投資”などの観点からポテンシャルの高い京阪神地域に関心を寄せるケースが多いという。

そんな大和財託のもう一つの大きな特徴が取り扱っている物件の種類だ。同社では、新築と中古、両方の一棟アパート・マンションを取り扱い、顧客の資産状況や期待収益に合わせた柔軟な提案を行っている。

「資産運用のコンサルティング会社である当社の使命は、何よりお客様にとって最適な資産運用プランを立案することです。例えば新築は長期の融資を受けやすく、修繕などの発生確率も低いので安定経営ができる。対して中古は、利回りが高めで、減価償却期間が短いため節税に向くなどそれぞれ特徴がありますから、ポートフォリオを組んでご提案しています。さらに当社の事業内容は、不動産の売買にとどまらず、建設、賃貸管理、リフォーム、保険代理業など幅広い。将来的にはREIT組成や有価証券などの金融商品も幅広く取り扱う計画です」

実績に基づく“確かな目”で物件の力を見極める

藤原正明(ふじわら・まさあき)
大和財託株式会社
代表取締役

大和財託の新築物件は、いずれも同社の設計・施工によるものだ。内製化を追求することでコストを最大限削減し、高利回りを実現している。

「一般に物件の価格は、土地代や建設費、事業者の利益などを積算して決定しますが、当社は違います。お客様に適正な収益を確保していただけるラインをまず設定し、そこからコストを逆算します。当然ながら、計算して事業が成り立たない開発は行いません」

一方、中古物件については大和財託でリノベーションを行い販売するケースがほとんどだ。状況に応じて、外壁塗装や屋上防水などを実施。中古物件特有の修繕リスクを極力排除して、顧客に提供している。

「新築、中古とも、物件の品質と合わせて重要になるのが家賃の設定です。例えば、6万円の家賃が5万5000円になれば単純計算で収益は10%ほど下がる。これでは事業計画が頓挫してしまいます。当社は、適正な賃料の見極めにも自信を持っています」

背景にあるのは、事業エリアを限定し、賃貸管理も担うという大和財託の特性だ。これまで蓄積したノウハウにより、“立地・間取り・構造”といった情報から高い精度で適正賃料をはじき出すことができるのだ。同じ沿線でも一駅違うだけで、大きな差が出るのが賃貸住宅の家賃である。“確かな目”を持ったパートナーの存在は心強い。

そして、いざ物件を購入するとなれば、資金の調達も重要な課題。その点でも同社は充実のサービスを提供する。

「当社は20以上の金融機関と取引がありますから、お客様のニーズに合った融資をご紹介することが可能です。そのほか、税理士や司法書士など各分野の専門家とタッグを組み、相続を考慮した資産管理法人の設立、相続税評価額から逆算した不動産を活用した相続税対策など、お客様それぞれの多様なニーズにお応えしています」

“おかげで人生が変わった”──。顧客からそうした声をもらうことが一番のやりがいと話す藤原社長。これまで、一般のビジネスパーソン、中小企業経営者、上場企業役員、勤務医・開業医、スポーツ選手など、さまざまな人たちの資産運用を支えてきた。コンサルティングにあたっては、「まず面談や電話で直接コミュニケーションを取る。単にオンラインで物件情報を送ることはしない」と言う。

物件の立地がますます重要になっている賃貸経営。関西圏エリアに興味がある──。地域を分散して複数棟の経営を考えたい──。そうした人にとって、物件の管理はもちろん、マネープラン全般の相談もできる大和財託の一棟アパート・マンションは、有望な投資対象といっていいだろう。

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