コスモスイニシアは2017年1月、不動産小口化商品「セレサージュ」の販売開始を予定している。商品の仕組みやメリット、運用にあたっての強みなどを、同社の山中啓奨氏に聞いた。

資産運用の賢い選択肢「セレサージュ」が誕生

山中啓奨(やまなか・けいすけ)
株式会社コスモスイニシア
ソリューション本部
ソリューション事業部
資産運用部 投資運用商品課

「商品名の『セレサージュ』は、英語のselection(選択)と仏語のsage(賢い)の組み合わせ。『賢い選択』という意味を込めました。都心の優良物件を1000万円から所有することが可能な少額の投資運用商品となっています」

名称の由来とともに、同社資産運用部の山中啓奨氏が説明する「セレサージュ」の事業スキームは図のとおりだ。

まずコスモスイニシアが、既存のマンションをはじめとする物件を取得。それを一口1000万円ずつに分けて投資家向けに販売し、購入した投資家たちは任意組合(理事長はコスモスイニシア)の組合員となる。組合は賃貸経営を行うが、一切の実務はプロであるコスモスイニシアが担い、収益を組合員(投資家)たちに分配する。10年~15年ほど賃貸した後は物件を一括売却し、その収益も組合員たちに分配。賃料収益と合わせ、一口当たり通算で1000万円を超える運用益を目指す。ただし、元本保証はない。


投資家は、コスモスイニシアが取得した物件の所有権の共有持分(1口1,000万円)を購入。投資家は、コスモスイニシアと任意組合を組成し、購入口数に応じて、賃料等からなる収益の分配を受けることができる。物件は、一定期間後に一括売却され、その収益も投資家に分配される。

不動産を証券化したJ-REIT(不動産投資信託)と違い、「セレサージュ」は不動産そのものを購入する扱いとなる。さらに、一戸単位の区分購入とも違い、土地を含めた物件全体を複数の組合員で共同保有する。「したがって少額投資でも不動産を持つことができ、なおかつ管理・運営の手間は不要。1戸単位の区分マンション投資に比べ、空室リスクの軽減効果もあります」と山中氏は言う。

コスモスイニシアが「セレサージュ」を発売する背景には、2015年の相続税制改正以降、いつ発生するか分からない相続への対策を急ぐ資産家が増えているという実状もある。

「例えば同じ1億円でも、現金ではなく不動産であれば相続時の評価額は圧縮されます。しかも『セレサージュ』には小規模宅地等の減額特例も適用され、一定面積まで土地の評価額が50%の減額となるのです。また2口、3口……と保有され、それらを複数のご親族に遺される場合も分与の手続きが容易です」

物件選定における豊かなノウハウが強み


「セレサージュ」の販売予定物件。マンションのプロフェッショナルであるコスモスイニシアが選りすぐった物件に1,000万円から投資することができる。

「セレサージュ」の対象物件は、主に都心5区(千代田、港、中央、新宿、渋谷)から選り抜かれることも魅力である。一棟全体で数十億円に上る価値の物件を一口1000万円で資産運用のポートフォリオに組み込めるわけだ。購入口数の調整もしやすい金額だろう。

コスモスイニシアは、物件選定でも、賃貸経営においても、豊富な実績に裏打ちされたノウハウを発揮する。

「分譲マンションデベロッパーとしての当社の歴史は42年。首都圏・近畿圏で10万戸超を供給し、グッドデザイン賞16年連続受賞という高い評価をいただいてきました。これまでに培った情報収集力やノウハウをもって、都心部でもとりわけ優良な物件を投資家のみなさまにご提供します。また約30年前から手がける不動産サブリース事業では、計9107戸をオーナーさまからお預かりし、平均稼働率は96%に達しています」(各数字は2016年9月末時点)


※ただし、不動産サブリース事業以外の業務受託物件等を含んだ数値。

「セレサージュ」の収益性を支える大事な条件は、経年に伴う賃料の下落を抑えることと、高水準の入居率を維持すること。もとより都心部という立地のアドバンテージは大きいが、コスモスイニシアは必要に応じ、物件を投資家へ販売する前にバリューアップ工事も行う。

「マンションで考えられるとすれば、屋上防水やエントランスのリニューアルなど。ただ、あまり築年数の古い物件は扱いませんので、居室内を含め、状態は全般に良好です。先々、突発的な修繕が生じ、組合員様に負担をおかけする事態を避けるため、主な工事は販売前に済ませておきます」

同社は分譲マンションのデベロッパー業界で初となる長期修繕計画を考案・導入した企業だ。「セレサージュ」でも小規模な修繕の備えとして修繕用基金を設け、必要時には適切な手を打ち、賃貸での運用を成功させながら、将来はより高価格で一括売却できることを目指す。

セカンドライフのよきパートナーとして

出口戦略も気になるところだが、コスモスイニシアは約30年にわたって多様な投資用不動産の取引にも携わり、幅広いコンサルティング業務も行ってきた。そのなかで培ったノウハウとネットワークを駆使し、市況を見極め、有利な売却を目指す。

「セレサージュ」には、物件取得から賃貸運営、一括売却まで、不動産業界におけるコスモスイニシアの広範な事業実績が自ずと生きてくるはずだ。何よりも大きいのは、着実に築き上げてきた信頼性と総合力だろう。

2013年に大和ハウスグループの一員となったコスモスイニシア。グループのリソースを有効活用するのと同時に、長年磨いてきたコスモスイニシアらしい戦略や事業推進力も発揮し、資産運用の最適ソリューションを追求していく。

最後に山中氏は言う。

「当社はこれまでも、不動産に強い税理士・弁護士・会計士とのネットワークで安心・安定な賃貸経営や資産運用のお手伝いをしてきました。そこへ『セレサージュ』が加わることで、いっそう多様なニーズに対応し、投資家のみなさまが抱えていらっしゃる運用や相続のお悩みも解決できると思います。私自身、一人でも多くの投資家のみなさまと出会い、セカンドライフのよきパートナーを務めたいと思います」

*本商品については、現在、行政庁に対し認可申請中であり、認可取得次第、販売を開始する予定です。

*記事内の価格は、税別で記載しています。

2017年1月より商品のご案内会を開催

不動産投資に精通した弊社コンサルタントが、みなさま一人一人の状況に沿って、販売物件やその具体的な活用法についてご案内します(時間はいずれも90分間の予定)。

1月12日(木)[10:30~]
1月18日(水)[13:00~]
1月19日(木)[10:30~]
1月19日(木)[19:00~]
1月25日(水)[16:00~]
1月29日(日)[10:30~]
1月29日(日)[13:30~]

※ただし認可申請手続きの進捗により、一部内容が変更する場合があります