やるべきことを「見える化」する

そのポイント(1)把握する、(2)見極める、(3)整理する、(4)更新する、(5)選択する――という5つのステップを踏むことだ。たとえば「把握する」とは、新たに発生する仕事や、「気になること」をすべて集める。デスクの上または仕事のメール、やりかけのまま残っていることや実行しようと思っていても手を付けていないこと、何とかしないといけないという頭の中に溜まっているアイデアやもやもやとしたイメージをメモ用紙に書いて、頭の中にあるものを全部外に吐き出すことだ。

「見極める」とは、集めた「気になること」が何を意味しているかを自分で考え、行動する必要があるのかどうか、どのように行動するかを判断する。具体的には行動を起こす必要のないものは(1)捨てる・削除する、(2)資料として保存する、(3)今やる必要はないが、いつかやる必要が出てくるかもしれないものは「保留する」――の3つに分類する。そして残った「行動を起こす必要があるもの」について、(1)2分以内で終わるものはすぐやる(2)誰かに任せる(3)後でやる(2分以上かかり、自分でやるべきこと)――の3つに区分する。

後でやるべきことの中にはどのように行動してよいのかわからないものもある。それを明確化するには(1)求めている結果とは何かをイメージし、(2)次にとるべき具体的な行動とは何かについて、複数の段階に分けてやるべき行動を「見える化」することだ。

システマチックな手法であるが、ポイントは「意志決定」にあるとアレン氏は言う。

「私のメソッドは頭に入ってくる情報の量は多くても、自分にとって一番大事なものについて、これは捨てる、これは残すという具合に見極めてどのように分類していくかという一見簡単なものです。ただし、自分の認知力などすべてを活用して立ち向かうことが求められますし、意志決定する力が重要です。単なる整理術だけを求めると整理していないファイルが残り、結果的にストレスから解放されないことになります」

では初心者でも身につけられるのか、GTDを体得するとどんなメリットがあるかについてアレン氏に聞いた。