去る1月下旬、スイス・ジュネーブで26回目となるSIHH(Salon International de la Haute Horlogerie、通称ジュネーブサロン)が開催された。SIHHとは20数ブランドが参加する高級時計の新作発表会で、高級時計のディーラーやジャーナリストなど招待客のみが入場できるエクスクルーシブなサロンである。

毎年、各ブランドが発表する腕時計もさることながら、ここでしか目にできないようなアートピースやユニークピースに出合えることもこのSIHHの楽しみだ。今年、取材陣の目を釘付けにしたのが、パルミジャーニ・フルリエのオートマタ搭載時計「Hippologia」である。オートマタとは、ぜんまいがほどける力によって動く機械人形のこと。この機構を組み込んだクロックや腕時計はこれまでにもつくられてきたが、このHippologiaが瞠目に値する点は機械人形のしなやかで躍動的な動きにある。

「Hippologia」
ケース:ラリック社製クリスタル
ケースサイズ:幅55×奥行き35×高さ30cm 重さ:55kg
機能:時分表示、オートマタ(指定時刻に始動、または手動で作動)

ラリック社製クリスタルガラスケースの上を駆け回るのは、18Kホワイトゴールドとシルバーで立体的に表現された雌馬と子馬。この置き時計はじつに2200以上のパーツで構成され、その基部にはオートマタの作動と時刻表示を行う2つのムーブメントが配置されている。時計ケースの側面には、白とシャンパンカラーのダイヤモンドをセッティングした小窓を設け、時と分を表示する。さらに、希望の時刻にオートマタを動かすようにセットできる目盛りも表示される。

パルミジャーニ・フルリエとは、稀代の時計師ミシェル・パルミジャーニ氏が1996年に立ち上げたブランドである。ブランド創業以前、パルミジャーニ氏は希少なミュージアムピースやアートピースの修復作業で名を馳せたが、そこで培われた機械式時計の知識、技術、そして美意識をもとに、芸術的・文化的な価値を創造するのがパルミジャーニ・フルリエの時計づくり。こんな別格無比なクロックをつくってしまうのも、何ともこのブランドらしい。

パルミジャーニ・フルリエ・ジャパン
03-5413-5745
http://www.parmigiani.ch/