「最近は、関東圏を中心に全国からの問い合わせが増えています」。こう語るのは京都を拠点とする日本ホールディングスの八尾浩之社長だ。ここにきて注目を集める“京都ブランド”の魅力とは──。

賃貸ニーズは高い
一方で供給が少ない

八尾浩之●やお・ひろゆき
日本ホールディングス株式会社
代表取締役社長

1992年に日経ビルディング(現日本ホールディングス)の設立に参加。2011年、代表取締役に就任。顧客最重要の姿勢を徹底し、京都で唯一の投資会社を牽引。

「一番の要因は、将来にわたる希少価値」と八尾浩之社長は“京都人気”の背景を説明する。もちろん京都観光のことではない。日本ホールディングスは京都を基盤にマンションの企画開発から販売、運営管理まで行うデベロッパー。八尾社長の言う希少価値とは「投資用マンションの資産価値」のことだ。

というのも京都は、景観規制が非常に厳しい自治体。屋外広告物への規制など、メディア報道でご存じの方も多いと思うが、実はデベロッパーにとってもこれが大きな課題となっている。「高さ規制」などにより、特に市街地での大規模マンション開発は難しいのが現状である。

一方、京都は昔から学問の都として国立、私立の有名大学が集積。「京都市の10人に1人は学生」という土地柄だ。また、京セラや任天堂など世界的な企業が多数本社を構え、単身者世帯も多い。つまり「賃貸ニーズは高い」のに「供給戸数が少ない」という“需給のアンバランス”。これが、特にワンルームマンションの価値を高めているわけだ。

「もともと京都は住みたい街の上位に常にランキングされており、不動産の資産価値は高い。世界有数の観光都市として、経済効果も継続的に見込めます。景観を含めて残すものはしっかり残しながら、24時間営業のスーパーが街中に立地するなど、暮らしやすさもずいぶん向上している。そうしたエリアの特性が、投資家の方々からの支持につながっているように思います」と八尾社長は言う。