賃貸住宅経営の鍵を握る「差別化戦略」で、抜群の強みを発揮するセレコーポレーション。他のアパート物件といったい何が違うのか。独自の商品開発や経営サポートについて聞いた。

画一的な市場の中で
独自性が際立つ

大西 統●おおにし・とおる
株式会社セレコーポレーション
営業本部 マーケティング開発部 部長

2002年、セレコーポレーション入社。営業職を経て現職へ。「営業時代にオーナー様向けに多様な設計プランを提案した経験が生きています」という。

セレコーポレーションは、国内に9社しかない国土交通省の認定・認証を受けた鉄骨プレハブメーカーの1社。その中でも、独自の特長を持つ存在だ。というのも、エリアを首都圏に限定しているのは同社だけ。しかも、「他のメーカーと異なり、アパートに特化しています」と同社営業本部マーケティング開発部の大西統部長は言う。

「アパート経営の専門店」を掲げ事業を展開するセレコーポレーションは、建築はもとより、賃貸管理から運営、経営支援までトータルにサービスを提供。そのクオリティを維持すべく、供給物件数は年間200棟以内に制限している。また入居者を“ゲスト”と位置づけ、ゲストに最高の笑顔と感動を与え続けることが同社の企業理念である。

「なぜなら、それがオーナー様の収益の最大化にもつながるからです。従来の画一的なワンルームでは、もはや継続的にゲストを確保するのは難しい。しかし市場が固定化しているからこそ、工夫しだいで相場より高い賃料設定が可能で、長期入居も期待できます。まさに弊社の主力商品『フュージョン』(下の写真)は、旧来の常識にはない発想がゲストからの高い支持につながっています」と大西氏は説明する。

フュージョンの特長は、独自の立体設計にある。ベッドスペースとワークスペースを上下に配置することで、限られた床面積の中に新たな空間を生み出したのだ。これが、女性に敬遠されがちだった1階の部屋を逆に人気物件へと押し上げている。

「1階の部屋は通常約7割が男性ですが、フュージョンだと女性が5割以上。しかも相場より5000円ほど高い家賃が実現しています」(大西氏)