家族を明るくする
きっかけにも

慣れ親しんだいつもの寝室におよそ1日の工事で取り付けられる。そんなベッドサイド水洗トイレを実現したのは、TOTOの最新技術だ。まず汚物を流す排水管、これを従来の水洗トイレの3分の1以下に細くした。そのため、壁に開ける穴の大きさはエアコンのダクト程度で済み、大がかりな工事を必要としないのだ。

秘密は、便器後部に設けられた独自の「粉砕圧送ユニット」にある。ユニットの粉砕室に送られた汚物や紙は、高速で回転するパルセータ(羽根車)によって粉砕され、小さくなったものだけがポンプ室に移動し、圧力をかけられ排水管に流れていく──。この“粉砕圧送”の仕組みにより、細い排水管の採用が可能となり、水洗トイレの後付けが実現したわけだ。

汚物が排出されるまでの時間はおよそ30秒。

パルセータの設計などの工夫により、低騒音化も実現しており、使用時の音は通常の水洗トイレと変わらない。また、万一便器の中に誤って尿取りパッドやガーゼなどを落としてしまっても、粉砕圧送ユニット内の回転軸に絡め取る機構になっており、後から取り出すことが可能。異物が混入しても排水機能が保たれるため、継続運転でき、自分たちでトイレを容易に復旧させられるのもありがたい。まさに、利用する人とその家族の立場になってさまざまな工夫とアイデアが盛り込まれた水洗トイレであることがよく分かる。

排せつの自立は人間にとって最も大切な尊厳の一つ──。そんな思いから開発されたTOTOのベッドサイド水洗トイレ。それは、介護をする人、される人の潜在的なニーズに応え、家族みんなを明るく、そしてやさしくするきっかけにもなり得る注目の製品といえそうだ。