家づくりにおいて、快適さの追求とともにエネルギーへの関心が、ますます大きな位置を占めるようになっている。なかでも最も注目を浴びるホットな話題は「創エネルギー」だ。長年住宅関連メディアに関わってきた情報通、岩間光佐子さんに聞く、メーカーの動向や導入の際の留意点、今後の見通しとは──。
さらに進みつつある
住宅設備の省エネ事情
家づくりでは省エネやエコへの配慮は今やあたりまえ。さらにエネルギーを「創る」「蓄める」を加えて「省エネ」「創エネ」「蓄エネ」がキーワードになっています。最近、私が家づくりの雑誌等から受けた取材も、この3つのテーマに関わるものが多く、関心が高まっているように感じます。
省エネに関しては、建材では断熱窓や断熱ドア、住宅設備機器では保温浴槽や節水型のトイレ、シャワーなど、あらためて配慮を深め、性能を向上させた商品が次々に出ています。例えばシャワーでは包み込むような浴び心地、トイレでは汚れにくさや掃除のしやすさなど、省エネと同時に快適性能や利便性を向上させているのも特長です。
給湯機や給湯システムでは目下「創エネ」が注目の的ですが、省エネ面でも従来無駄にしていたエネルギーを活用する「エコジョーズ」や大気の熱を利用してお湯を沸かす「エコキュート」などがあります。これらを新しく導入するだけでも、光熱費はかなり違ってくるでしょう。
性能もアップした太陽光発電
シミュレーションはしっかりと
住宅での創エネは、「太陽光発電」と「エネファーム」「エコウィル」の3種。なじみがあるのは太陽光発電でしょう。最近では、多くのメーカーから性能を高めた製品の提案が見られます。
最近の太陽光発電の特徴は、発電効率を高めるだけでなく、太陽電池モジュールの小型化や軽量化が進み、どのような屋根形状でも、また屋根の面積が狭いなどの悪条件にも対応できるものが増えてきたこと。普通の屋根のような屋根建材型のタイプであれば、外観もすっきりします。また、太陽電池モジュールを搭載したカーポートもエクステリア各社が出していますので、敷地や建物の条件によっては検討してみてもいいのではないでしょうか。
選ぶ際に大切なのは、事前にホームページなどで商品の性能や施工例を確認するとともに、発電量のシミュレーションをすること。どれぐらい発電できて、どの程度電気料金が削減できるかを試算してみることが可能です。条件によって思っているほど発電量が得られないケースもあり、「こんなはずでは」とならないためにも、これは重要です。
実際に家を建てるときにはハウスメーカーや工務店と相談しながら、しっかりしたシミュレーションに基づく提案やプランを出してもらうことが大切。これは新築もリフォームも同じです。
特にリフォームの場合は、強度的な問題や雨漏りなどのトラブルを招くこともあり、より注意が必要です。施工実績があり、信頼できる施工業者を選ぶことが重要でしょう。
また、システムの保証やメンテナンスはメーカーによって差があります。太陽電池モジュールとパワーコンディショナーなどでは異なることもあるので、保証内容や期間をしっかりチェックしてください。