KDDIは、クラウドベースのグループウェアでの2強ともいえる「オフィス 365」と「グーグル アップス」の同時提供に踏み切った。顧客企業のスタイルに合った「いつでも」利用可能な環境を提供し、経営課題解決と先進的ワークスタイルを同時に実現する。

クラウド+モバイルが
標準装備の時代に

「新しいシステムを導入しようとする企業の7割がクラウドサービスの活用を検討しています」

そう語るのは、KDDIサービス企画本部クラウドサービス企画開発部長の藤井彰人氏だ。

クラウドサービスといえば、「なにやら難しそう」とのイメージを持つ向きもあるかもしれない。しかしスマートフォンやタブレット端末などスマートデバイスが広まった今、実際に個人ベースではそれと意識せずに活用している人は多い。Gメールをはじめとするグーグルのサービスやアップルのiクラウド、エバーノートやドロップボックスといった具合に。

「2013年の世界のスマートデバイスの出荷台数はPCの4倍との調査もある。また国内のクラウドサービスの成長率は年率30%を超え、大きな成長分野になっています」(藤井氏)

学生の間ではスカイプでチャットしながら、クラウド上にあるレポートを共同でまとめるなど今やごく日常。個人ベースでは利用されているサービスが、今後より広く企業の中にも入り込もうとしているというわけだ。

KDDIソリューション事業本部ソリューション事業企画本部事業企画部副部長の中馬和彦氏は、「企業の場合『クラウドはセキュリティーの面や導入の仕方がわからず不安』との懸念もありますが、エンドユーザーのパワーが企業を突き動かしている。個人ユーザーとして、その便利さはすでに実感しているので、企業としてもそれを使って業務効率を上げようという機運が出てくるのは当然です」と説明する。

もちろん不安を数多く抱えたままクラウドサービスを導入するわけにもいかないだろう。そこでKDDIが、2013年11月1日から本格的に、法人向けクラウド型グループウェアの提供に乗り出したことが注目を集めている。

「Office 365 with KDDI」(以下、オフィス 365)と「Google Apps for BusinessTM」(以下、グーグル アップス)の同時提供だ。

従来、マイクロソフト オフィスを利用していた企業ならオフィス 365でクラウド化を図るのが導入しやすいだろう。個人ベースではすでに広く利用されているテクノロジーを活用し、一気にワークスタイルを変えたいなら、グーグル アップスを採用するのも一つの選択肢となる。部署ごとの利用実態に合わせ、両者を混在させることも可能だ。

「KDDIは、これまでも仮想サーバーのサービスをはじめ、多くの法人向けクラウドサービスを提供しましたが、オフィス365とグーグル アップスの選択肢が増えたことでマルチユースが拡充します」(藤井氏)

藤井彰人氏●KDDI株式会社サービス企画本部クラウドサービス企画開発部長(右)と中馬和彦氏●KDDI株式会社ソリューション事業本部ソリューション事業企画本部事業企画部副部長(左)。

これらのツール導入で、仕事の進め方はどのように変わるだろうか。例えば複数の人から提供されるデータを一つのファイルに統合するとき、従来ならメールにファイルを添付して送り、バラバラに戻ってくるデータを再入力し、再び全員に配って確認、追加の修正要求があったりと、管理が煩雑だった。

しかしクラウド上にデータがあれば、ミーティングしながら、あるいはビデオ会議をしながら、リアルタイムで情報を共有、作業を進行・完了できる。社内外に散らばる営業担当者と社内スタッフとの情報共有や作業の連携、スケジュール管理もタイムリーに行え、距離や時間の障壁を感じることなく仕事を進めることができ、ワークスタイルが劇的に変わるのだ。