陸軍御用達の高信頼ツールの歴史
1884年、スイス人のカール・エルズナー氏によって創業されたビクトリノックス。91年には多様なツールを一つのハンドルに収めたマルチツールが初めて陸軍に採用された。その6年後には「Swiss Army Knife™」の名称で商標を取得。製品に国旗と同じ十字マークの使用を認められるほど、スイスを代表するナイフメーカーとしての地位を固めた。「今ではステンレスの精密な加工技術を生かしたウオッチや堅固なものづくりの精神を受け継ぐトラベルバッグなども手掛け、120カ国以上で展開しています」とビクトリノックス ジャパンの西川洋祐社長は話す。
ビクトリノックス ジャパン株式会社
代表取締役社長
おなじみの赤いハンドルとクロスアンドシールドのマークを見れば、「そういえば家の引き出しにあったはず」と心当たりがある人も多いだろう。もちろん趣味やレジャーシーンで日頃から愛用しているユーザーも数多い。
「銀座の旗艦店では、日常使いのモデルからレジャー用、本格的なクラフト用まで幅広いモデルを実際にご覧いただけます」と西川氏。
そのビクトリノックスから、2025年に日本国内限定として、26年からはグローバル市場に向けてリリースされた画期的なモデルがある。それが災害時の備えに特化した「エマージェンシーツール ハントマンライト」と機能を絞った「エマージェンシーツール シグネチャーライト」の2モデルだ。
高さ:26mm 長さ:91mm 幅:26mm 重量:121g 価格13200円(税込み)※
【全23種の機能】
ラージブレード(大刃)/スモールブレード(小刃)/コルクせん抜き/ファイヤーアント(火起こし機能)/カン切り/マイナスドライバー3mm/せん抜き/マイナスドライバー6mm/ワイヤーストリッパー/マイナスドライバー2.5mm/リーマー(千枚通し)/はさみ/のこぎり/プラスドライバー(フィリップス型1/2)/マルチフック/LEDライト/キーリング/ピン/ピンセット/つまようじ/加圧式ボールペン/蓄光ハンドル/ホイッスル
※ 2026年4月1日より15400円(税込み)に価格を改定。
日本発の企画モデルが災害特化型の訳
「機能面に踏み込んだ企画というのは私たちにとってもチャレンジでした」と西川氏が語るとおり、これまで日本限定モデルと言えばハンドルの絵柄といったデザイン面のものが主であった。しかし、今回のモデルでは災害時にどういうツールが有用か、といった提案からスタートし実現にこぎ着けた。西川氏は続ける。「災害が起きた後、マルチツールへの問い合わせや検索件数が非常に増えることが分かっていました。そうした日本のお客さまの関心の高さが、今回の企画を後押ししてくれたのです」。スイス本社でも日本の災害の多さや過去の被害、また人々の防災意識の高さに徐々に共感が集まり、企画にゴーサインが出たという。
「まずこだわったのがハンドルの蓄光素材です」と西川氏。目を引く蛍光イエローのハンドルは日光に当てておけば暗い中で発光し、夜間の停電時でも探しやすい。かばんの中に入れてあっても視認性はかなり良い。
「エマージェンシーツール ハントマンライト」には、ナイフ、のこぎり、ドライバー、缶切り、栓抜き、ピンセットといった基礎的な工具類を含め23種の機能を内蔵している。避難生活のちょっとした不便を解消するには必要十分なツールがそろっているのだ。
同氏によればユーザーから災害時にどのように使ったのかの実例が寄せられることもあるという。「例えばリーマー(千枚通し)でペットボトルに穴を開け、手洗い用の簡易シャワーを作ったという意外なアイデアもありました」。これなどは水を節約するための知恵と言える。
日常で使い慣れてこそ緊急時の備えになる
今回のモデルで特筆すべきは、被災時に重要とされる最初の3日間、いわゆる「72時間の壁」にも備える機能だろう。例えば、建物の倒壊で閉じ込められたことを想像してほしい。
まず、付属のホイッスルを使えば救助隊に自分の居場所を知らせることができる。「音量を確保するため、あえて内蔵せずに付属品としました。キーチェーンに付けて一緒に携帯する想定です」。
またLEDライトは暗闇で心を落ち着かせてくれるし、ボールペンで手のひらや紙に、名前、緊急時連絡先、持病などを書き込んでおけば救急隊員への大事な情報となる。こちらは「加圧式のボールペンで上に向けてもインクが出る仕様になっている」という。
そしてコルク栓抜きには、のこぎりの背にこすって火花を飛ばすファイヤースティックと火口として使えるワックスコットンが組み込まれており、避難先で火をおこすことが可能だ。
さて、今回のモデルでは新たにツールを開発したわけではなく、すでにあるツールの組み合わせで実現した点も指摘しておきたい。
「われわれのモットーは『最高の準備ができていることは、日々のライフスタイル、また人生自体をより良いものにする』というもの。全ての商品が日常の課題解決のための備えとなっているからこそ、今回のエマージェンシーツールにも必要十分な機能を持たせることができたのです」と西川氏は胸を張る。
製品のリリース後は、企業防災に取り組む法人からの問い合わせも増えているという。命を守るツールとして身近に備えておきたい一本だ。


ビクトリノックス 銀座店 東京都中央区銀座8-6-3
旗艦店となる同店では、さまざまなマルチツールを利用シーンに合わせて展示。実物を確かめながら購入可能だ。
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