与えられた目標として捉えるのではなく「自分ごと」に
――環境やサステナビリティの取り組みにおいて、重視している点を教えてください。
MIRARTHホールディングス株式会社
取締役 兼 グループCFO 兼 専務執行役員
兼 サステナビリティ推進室長
【中村】当社は2022年、ホールディングス体制への移行に伴い「サステナブルな環境をデザインする力で、人と地球の未来を幸せにする。」というパーパスを設定しました。今、最も重要なテーマとしているのは、これをどのように具現化していくかという点です。もちろんGHG(温室効果ガス)排出量の削減といった数値的な目標の達成と向き合いながら、それを外部から与えられた課題として捉えるのではなく、いかに「自分ごと」として落とし込めるのかが大きなポイントだと感じています。
事業を取り巻く環境がめまぐるしく変化する中で、サステナビリティの取り組みにも明確な答えがあるわけではありません。「サステナブルとはこういうものだ」と決めつけてしまうのではなく、当社グループの不動産やエネルギーなど多様な部門で働く一人ひとりが日々の業務において、「自分なりのサステナブルな取り組み」を問い続けていくことが大切だと考えています。
そこにつながる取り組みとして、例えば、イントラサイト内に「サステナビリティAction!」というコンテンツを運用し、グループ各社で行っているさまざまなサステナブルな活動を取りあげて配信をしています。また、冊子「サステナビリティコミュニケーションブック」を作成し、全従業員に配付するなど、草の根的に一歩ずつ意識の底上げを図っているところです。こうした活動は性急に成果を求めるのではなく、定期的に自らの現在地を確かめながら、じっくりと時間をかけて育んでいくものだと思います。当社らしい企業文化を醸成していく中で、着実にサステナビリティを昇華していくことの価値を、従業員たちも見いだせるよう努めたいと思います。その実践が、企業の信頼性の礎を築くはずです。
付加価値の創出で「地域社会のタカラ」としてもっと輝く
――社会からどのような役割が求められていると思われますか。
【中村】近年は情報開示がより重視されるようになり、形式的な開示にとどまらず、企業の誠実な対応や実態の透明性が厳しく問われるようになっています。社会への貢献を果たすとともに、ステークホルダーの皆さまの期待に応えるべく、企業としての持続的な成長に向けた収益力向上も両立させていくことが求められています。工務店から始まった当社の歴史は50年を超え、現在の事業の中核である新築分譲マンション事業は、今後の街づくりにおいて注目されている分野でもあります。ただマンションをつくって終わりではなく、私たちが考えていかなければならないのは街との共生であり、地域のコミュニケーションをどう維持して未来に受け継ぐかということです。
お客さまに「このマンションを買って良かった」「ずっとここで住み続けたい」と実感していただき、その想いが地域の中に循環していくような住まいをお届けしたいと考えています。人生100年時代を迎え、ライフスタイルが大きく変容する中で、共働き世帯による立地など利便性の追求や、高齢層による戸建てからの住み替えなど、住まいに対する価値観も多様化しています。事業を通じて新たなコミュニケーションを生み、付加価値を与えることによって「地域社会のタカラ」として一層輝くことができると考えています。
不動産開発においては、CASBEE(建築環境総合性能評価システム)認証やZEH-M(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス マンション)の取得を引き続き推進していきます。また、頻発する自然災害に対し、建物のレジリエンス強化をはじめ、集合住宅だからこそ実現できる防災対策の充実は不可欠だと考えています。さらに、「良いものを長く大事に使う」というニーズの拡大もあり、中古住宅市場の活性化もこれからの成長分野だと捉えています。当社グループにおいても、中古マンションに新たな価値を創造する、1棟リニューアルブランド「Lé Art(ル・アール)」の展開にも注力しています。当然、我々だけで成し得ない大きな目標に対しても、多様なパートナーの皆さまと連携しながら、前進できればと考えています。
――環境フォト・コンテストへの参加について、どのように感じていますか。
【中村】優秀賞を選出するための投票には全従業員が参加できます。第32回 環境フォト・コンテスト2026では、当社の募集テーマである「人と地球の幸せ」にふさわしい、本当に幸せな気持ちが伝わってくる作品がそろいました。例えば優秀賞作品「ぷかぷか」は、海の透明感が印象的で、自分もこんな場所にいたいなと思わせる作品です。それは、この無垢な環境に身を置いたとしたら、自分なら何ができるのだろうか。そんなことを考えるきっかけになる写真でもあると思います。
――最後にメッセージをお願いします。
【中村】「Mirai(未来)とEarth(地球)」を組み合わせた当社の名前をもっと多くの方々に知ってほしいと思います。ただ、サステナビリティの取り組みと同じく、浸透させることを急ぐのではなく、ちゃんと理解していただきながら、意識しなくても自然と身近に感じてもらえるような存在でありたいと思います。
●「環境フォト・コンテスト2026」入賞作品
●募集テーマ:人と地球の幸せ