写真プリント、新品・中古カメラの販売、確かな技術に基づくメンテナンスや修理――カメラのキタムラでは、「カメラのライフサイクルすべて」をカバーする強みを発展させ、リユース事業をけん引役とする独自のアプローチによるサステナビリティ経営を進めている。「思い描いた通りの一瞬を切り取る喜び」という写真文化を継承しつつ社会に貢献していく、そのために重視していることは。

外部のパートナーと連携して着々と拠点を拡大

――まずは、力を入れている領域について教えてください。

佐藤 卓さん 株式会社カメラのキタムラ 店舗事業部 販売サポート部 広報 PCCグループ
佐藤 卓さん
株式会社カメラのキタムラ
店舗事業部 販売サポート部
広報 PCCグループ

【佐藤】当社は長年培ってきた写真プリント事業を引き続き基盤としつつ、現在は「リユース事業」を経営戦略の新たな柱に加えるなど、サステナビリティを重視する時代に即した変革を加速させています。デジタル化の進展に伴うニーズの変化が事業構造の転換を促したわけですが、これを成長のチャンスと捉え、積極的な取り組みを展開しています。

本体、レンズなどのカメラ機材からスタートしたリユース事業は、スマートフォン、時計、ブランド品、貴金属へと対象を広げ、拠点も着々と増やしています。買い取りに当たっては真贋を見極める専門性が求められますから、カメラ以外の物品の査定は、買い取り専門店「買取専門店こやし屋」(株式会社トリアイナ)とフランチャイズ契約を締結し、店内にブースを設置することで信頼性を担保しています。

また、2025年には、地域掲示板アプリを運営する「ジモティー」との業務提携も始まりました。同社は行政と連携して不要品を買い取り・販売するリアル店舗「ジモティースポット」を運営しており、当社もその仕組みに参画することで、地域の皆さんが気軽にリユースを利用できる後押しをしています。こうした取り組みを通じて、当社がサステナビリティ方針として掲げる「地域社会への貢献」を果たしていきます。

「手にしやすい」選択肢で、写真文化の裾野を広げたい

――「写真文化」を取り巻く昨今の変化についてはいかがでしょうか。

【佐藤】半導体の価格高騰などを要因として新品のカメラの価格も上昇しています。そうした状況の中でカメラのキタムラが提供する「中古カメラ」という選択肢は、写真文化の裾野を広げる重要な機会になっていると思います。デジタル一眼レフカメラの新品価格は、入門機でもレンズとのセットで10万円を超えることが珍しくありません。スマートフォンなどで撮影への関心が高まり、もっと本格的なカメラを使ってみたいと購入を検討する層にとって、高額であることは大きな壁となるはずです。

現行機種の1〜2世代前の中古モデルなら価格的にも手にしやすく、かつ十分な機能を備えています。また、「カメラ本体は新品、レンズは中古にして予算を抑えたい」といったご要望に合わせた柔軟な提案ができる点は、新品・中古の両方を豊富に取り扱うキタムラならではの強みです。一見してきれいでも、実はカビ、くもり、細かなゴミなど、カメラは精密機械のため購入前にチェックしておくべきポイントがあります。当社が扱う中古カメラは、修理・メンテナンスを専門とするグループ会社の「U.C.S(ユー・シー・エス)」で点検・整備していますので、安心してお使いいただけます。

高い技術、きめ細かなサービスでカメラの修理、メンテナンスを実施
高い技術、きめ細かなサービスでカメラの修理、メンテナンスを実施

「長く続けていること」に大きな意義がある

――今後の活動についてお願いします。

【佐藤】グループ全体としては、引き続き、環境負荷の低減や温室効果ガスの削減、透明性の高い情報開示に取り組んでいます。例えば、フォトブックやプリント写真を工場から店舗へ配送する際の包材は、順次エコ素材に切り替えました。また、銀塩写真の現像プロセスで発生する廃液の処理については、専門業者を通じて安全に行うとともに、使用済みフィルムケースや電池、インクカートリッジの回収にも努めています。本社の会議室にあるイスやテーブルの多くがリサイクル素材の品で、社員が日常的に自社の取り組みを意識できる環境づくりにも注力しています。

――「環境フォト・コンテスト」に期待するのはどのようなことでしょうか。

【佐藤】当社が主催する各地での撮影会は年間でおよそ800回、のべ5000人の方が参加しています。サクラや紅葉の時期のずれ込み、台風や豪雨の頻発、また、クマの出没によって予定していた場所が使えなくなるなど、気候変動をはじめ、環境の変化を強く感じる場面は年々増えているように思います。

当社が長年関わってきた「環境フォト・コンテスト」には30年を超える歴史があり、「長く続けることに意義がある」と改めて感じさせます。応募作品のいずれも、環境の現状をしっかりと、かつ美しく伝えており、多くの人が目にすることで「自然を大事にしなければならない」という気づきにつながることを期待しています。「環境フォト・コンテスト2026」のカメラのキタムラ賞には15歳の高校生が優秀賞として入賞するなど、近年は若い世代の台頭も顕著ですね。最終審査会で話した際にも、機材が高くてなかなか買えないといったことも話題に上りました。そんな「写真を楽しみたい」という想いに応えるべく、当社もさらに成長していきたいと考えています。

●「環境フォト・コンテスト2026」入賞作品

●募集テーマ:写真の力~レンズがとらえた瞬間~

2026優秀賞「旅路、森とともに」赤地隼輔さん
2026優秀賞「旅路、森とともに」赤地隼輔さん
2026佳作(1)「鞍上人なく、鞍下馬なし」冨松直子さん
2026佳作(1)「鞍上人なく、鞍下馬なし」冨松直子さん
2026佳作(2)「凍てついた轟音」門田ギハードさん
2026佳作(2)「凍てついた轟音」門田ギハードさん