「オンライン授業+個別指導や家庭教師」

一方、そもそも集団行動が苦手で学校に行けないという子は、やはり集団授業が基本となる進学塾に通うのは難しい。そういう場合でも今はオンライン授業を行っている塾も多いので、そうしたサービスを利用してみるといい。

だが、オンライン授業だけで中学受験の勉強を進めていくのは勧めない。なぜなら、精神的にまだ幼い小学生の場合、常に気持ちを高めてくれる伴走者がいないと、モチベーションが保てないからだ。また、授業で理解したことを「なるほどね」と納得につなげるのも、子供だけでは難しく、大人の声かけが必要になる。そこで、オンライン授業をメインにしつつも、個別指導塾や家庭教師の力を借りることを勧める。

子供に勉強を教える家庭教師
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偏差値表だけで学校を決めてはいけない

受験校選びについては、偏差値表だけで学校を決めないことだ。中学受験をさせるからには、できるだけ偏差値の高い学校へ入れたい。それが多くの親の望みであることは知っている。しかし、中学受験で成功し、難関校に進学した子が、その後、高度な授業についていけずドロップアウトしてしまったり、友達関係でつまずき、中学以降に不登校になってしまったりするケースも多い。今元気に小学校に通っている子でもそういうことが起きる可能性は十分にあるのだから、不登校児の場合はさらに慎重に学校選びをしてほしい。

多くの私立中高一貫校では、不登校の子を受け入れる用意はある。ただ、「うちの学校は不登校の子を歓迎します!」などと、あえて公表はしていない。そこで、学校説明会や個別見学会などで相談をしてみることを勧める。そのときの対応で、迎え入れる準備ができているかどうかがおおよそ分かるはずだ。先生のちょっとした表情や言動を見逃さないことだ。