夫婦関係を良好に保つためには、どうすればいいのか。『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』(講談社+α新書)を書いた夫婦問題研究家の岡野あつこさんは「不満を持っている妻がこっそり夫に嫌がらせをしているというケースは多い。中には法に触れる事例もあるので、注意したほうがいい」という――。
食事をする家族
写真=iStock.com/kazoka30
※写真はイメージです

夫のスマホを覗いた妻が見た衝撃画像

「誰、この女……」

夫が寝ている間にスマホの中身を見た妻は、絶句してしまいました。写真フォルダに、知らない女性の写真が大量に保存されていたからです。

愛人の写真でした。年齢は30歳前後、アラフォーの妻より少し若い世代のようでした。妻よりメイクも服装も少し派手な印象でした。

写真の中には、レストランで食事をしている光景や、街中で撮影したスナップショットもありました。

誰もが知る有名テーマパークで撮った2ショット写真も出てきました。

そのテーマパークに夫婦で行ったことはそれまでありませんでした。妻はずっと行きたかったのですが、夫が、「子ども連れで行くのは面倒」などと言って、断っていたのです。なのに夫は愛人とは行っていたわけですから、妻が怒るのは当然でした。

普通なら、すぐ夫を起こして、「この女は誰?」と問い詰めるところだったでしょう。

ですが、妻は冷静でした。スマホを覗き見して手に入れた証拠だけでは、もし裁判になった場合、不利になると思いました。それに、愛人関係を匂わせる写真があったのは事実ですが、決定的な不貞の証拠写真はありませんでした。

「出張に行く」と言っていたのに

とにかく、一旦、自分の胸にとどめ、もっと証拠を集めるなりしてから話をしようと思ったのです。

妻は探偵を雇い、証拠を集めました。残念ながら浮気は事実でした。

愛人は夫の会社の同僚で、仕事の相談にのっているうちに、深い関係になったようでした。妻には出張に行くと言って、愛人とホテルに宿泊する。そんなデートを繰り返していたようです。

友人に相談したところ、愛情がないなら、離婚して慰謝料を取ることを勧められました。ただ、それでも妻はしぶっていました。

2人の子どもは、どちらも小学生で、まだまだ手がかります。子どもの将来を思えば、離婚しないほうがいいと考えました。

とはいえ、そうしている間も、夫は愛人と密会を重ねています。これ以上、浮気を放っておくわけにはいきません。

そこで、妻は一計を案じました。